(二)-15

文字数 269文字

 その後、装備などを整えて待機していると、「ワンジェイ、来ました」と副長の伊野が言った。
 遠くから空気を叩きつけるようなヘリコプターのローター音が聞こえた。その音は少しずつ大きくなり、やがて騒音を立てつつ周囲に砂埃を巻き起こしながら陸上自衛隊八戸駐屯地第九航空隊所属の輸送ヘリであるUH1Jが二機、着陸した。
 俺はケリーに手の平を挙げて別れを告げると、「乗機」と大声でインカムに叫んだ。
 そして俺たちが乗り込むと、ワンジェイはすぐに離陸した。

 ヘリは演習場の荒れ地に着陸し、俺たちはそこで降りた。そこから徒歩で入口の方へ向かった。

(続く)
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