(二)
文字数 215文字
トラックが演習場を出て国道一〇三号線を走り始めた。
八甲田演習場は八甲田山麓のなだらかな丘陵地帯に位置している。南下するとそのまま八甲田山の山頂へと向かうことになる。そのため曹長はどこかで東西どちらかへ迂回するだろう。それにどこへ向かうかは不明なものの、どこへ行くにしても道路に出て車を押さえる方が、目的地へは早い。
そう考えていると、無線が入った。ゴルフ場の先にある国道の急カーブの所で待ち伏せせよ、とのことであった。
(続く)
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