(三)-4

文字数 282文字

 車のドアが開く。中から曹長が出てきた。右手にはM4カービン小銃が握られている。
 おもむろに上空でホバリングを続けるコブラに向かって、曹長は銃口を向けて発砲をした。
「撃て、六反地! 手を狙え」
 俺はすかさず叫んだ。
 双眼鏡の中のアイアンズ曹長は、右腕の手のひらと肘の間を撃たれて銃を落とした。その後、M24狙撃銃の発砲音が聞こえた。
 続けて攻撃ヘリのガトリング砲が再びうなり声を上げる。橙色の点線の閃光が銃口と曹長の間に結ばれると、曹長の体は点線に押しつぶされるように背中から地面へと倒れた。
「バカヤロウ!」
 俺は叫んで立ち上がり、曹長の方へ駆けていった。

(続く)
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