第8話

文字数 673文字

 その頃からでしょうか…。

 両親の態度が急変したのは…。

 何か不愉快な事がある度に母は、
 「お前はお父さんの方の血が入ってるからね。ばあちゃんやお父さんに似て性格が悪いね。お前はこっちの人間じゃないんだよ。」
 と口癖の様に言うようになりました。

 そして父も、
 「お前はお母さんに似て何も出来なければ大雑把でダメだな。お前はあっちの子供だろう。こんなんだから俺には似てない。だからあっちに行け。」

 と言うのが口癖になりました。

 小学校にあがる頃には、家には居場所がなくなっており精神的にも不安定になっていました。


 そして友人達も離れていき、かなりの田舎だったため私の様な家庭環境の人間は珍しい上に余所者という事で噂の格好の的になっていました。


 一時期はこういった家庭環境から、近親相姦をしているとまで男の同級生に言われていました。


 私に居場所はありませんでした。学校でも、家でも…。

 田舎すぎたこともあり、本当に孤独でした。


 時には大人にお前が悪いと言われたり、私の努力が足りない、親の事を悪く思うお前がおかしいとまで言われていました。

 幼心にこんな事を毎日の様に洗脳するように言われ続けてまともな人間になる事が出来るでしょうか。私と同じ境遇にあった訳でもないのに何が分かるというのでしょうか。ふざけるな。と思っていましたし、今でも言われる度に思います。

 きっと幸せな家庭で育った人には理解しがたいのでしょう。


 今でも私は家と関わるのが苦しいです。





 次回へ続きます。
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登場人物紹介

19歳    女


彼のことを大切に思っている。

彼と出会えたことが人生の中で唯一の幸運だと言うほどにこれまで幸せだと思うことがなかった。

彼のことをおそらく愛している。

しかし彼からは愛されてはいない。


私より年上   男



身長は高くはないが可愛らしい顔立ちで目鼻立ちが整っている。運動神経が抜群に良く、仕事が出来る。気配り上手で紳士的。非常にモテるが野菜嫌い。

過去のこともあり人を愛せない。

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