第5話

文字数 500文字

なんとか私たちはM市へ向かう道へ出ることができました。

私はまだ彼を信用する事が出来ないと思い、重く口を噤んでいました。

私がただ緊張しているのかと思った彼は気さくに話しかけてきました。
自分の家族の話や、これまでの自分の話を無言の空間があまりないように話してくれました。

彼は5人兄弟で4番目、そして震災前までは芸能活動をしていた事、空手を昔やっていた事を話してくれました。

その話はとても面白く少しずつ私は気を許していきました。

その時私は久しぶりに笑う事ができました。その時期の私は命を絶とうか悩んでいたのです。


1つの話をするごとに彼は「俺は人生経験かなりあるから大丈夫」と笑って言いいました。

1時間半程話をしてくれた彼は「そっちは家族とかどうなの?」と訪ねてきました。


正直、答えたくありませんでした。
私は周りから見たらほんの少し複雑な家庭環境に育ったようにしか見えませんが、内情はかなり重く、どうしても重苦しい話になってしまうし、家族にも相談事をできるような人が居ないほどに私は誰も信用する事が出来ずに生きてきたのです。




次に続きます
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

19歳    女


彼のことを大切に思っている。

彼と出会えたことが人生の中で唯一の幸運だと言うほどにこれまで幸せだと思うことがなかった。

彼のことをおそらく愛している。

しかし彼からは愛されてはいない。


私より年上   男



身長は高くはないが可愛らしい顔立ちで目鼻立ちが整っている。運動神経が抜群に良く、仕事が出来る。気配り上手で紳士的。非常にモテるが野菜嫌い。

過去のこともあり人を愛せない。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み