第2話 「私のどこが好き？」
文字数 713文字
金曜夜の電話
ねぇ、千晴
んー？
千晴って、私のどこが好きなの？
えっ？
だって、高校は一緒だけど、同じクラスになったこと無かったし
何で私なんかと付き合おうと思ったのかなぁって
満里奈、「私なんか」は禁止な
恋人がそういうこと言うと、悲しくなる
…ごめん
いいよ
それより満里奈だって、何で私と付き合う気になったの？
女性と付き合うの、初めてだよね
えーっと…
高校の時、千晴って王子様キャラでモテモテだったでしょ？
うち女子校だし
陸上部のエースだし
有名だから、存在は知ってたよ
そんでこないだの同窓会で見かけて、やっぱりカッコいいなって思ってたら、千晴が話し掛けてくれて、隣駅に住んでることが分かって、一緒に食事に行くようになって…
千晴から好きって告白してくれた時、全然イヤじゃなかった
一緒にいるの楽しいから、お付き合い、してみたいって思っちゃった
そっか、嬉しいよ
満里奈の好きなところはね、
…引かないで聞いて欲しいんだけど
何？引かないよ
私、高校の時から満里奈のこと好きだったの
へ？
覚えてない？
私、テスト前によく図書室で勉強してたじゃない
その時に図書委員の満里奈を見つけてさ、可愛い子、マジタイプって思った
ええぇっ！！
引かないって言ったじゃん！
引いてはいないよ！
…でも、びっくりした
満里奈は女子に興味無いと思ってたから、声すら掛けられなかったけどね
それ以来、好きになる子はみんな満里奈に似てたんだよ
初恋の子の面影を追ってたのかな
じゃあ、同窓会で話し掛けてくれたのも…？
バリバリ下心ありました
いやでも、付き合ってくれる可能性は低いと思ってたから、今のこの状況はヤバい、幸せ
ありがとう
私、もっと自分に自信を持ってもいいのかな？
当たり前だろ
私が自信持たせてあげる
