八幡宮参りの謎

文字数 380文字

 義仲は戦場へ行く途中、八幡宮三箇所で神宝を奉納し、戦勝祈願を行っている。氷見市の一刎八幡宮、中能登町の水白八幡宮と金丸八幡宮。戦場まで残り15キロ。先を急ぐよりも、小さい村社めぐりを優先させるほど、神事は大事だったのだろうか。

 平安時代の遠征の兵站は、現地調達である。志保山周辺は平家の知行権下にあったらしい。次の補給候補地を決めるにあたって、石動山伏の情報を聞き、石動山の勢力圏内を最適地と判断。八幡宮は源氏の氏神であり、祭礼を行ってから、支援要請を行ったと考えれば、大迂回をしてまで八幡宮参詣をした理由に筋が通ろうかと思う。

 志保山の合戦後、義仲が諸社に神領寄進を行ったことが、『平家物語』に見られるが、戦勝だけでなく、兵糧に対する恩賞という意味があろう。


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