吸血鬼の世界

文字数 295文字

欧州の僻地には、吸血鬼が治める吸血鬼の領地が点在している。


領地は近代化の波に流されることなく、しかして適度に文明を取り入れつつ、中世と現代を織り混ぜた独自の生活様式を保っている。

吸血鬼といっても、実際には世に言われるような恐ろしいものではなく。

人の血を求めて村々を襲うこともなく、不老不死の存在でもない。
太陽に当たって灰になったり流れる水を渡れなかったりもしない。
 
ただ、ほんの少し死ににくかったり魔術を使えたり、魔物を従えたり人を吸血鬼に変えたりできるだけ。

人との争いもなく宗教徒による吸血鬼狩りもなく。
しかして隣国の吸血鬼同士の小競り合いはたまにある。
これは、そんな領地のひとつの物語。
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登場人物紹介

リリーア・オルトランド


オルトランド家当主代理。13才の女の子。
現当主である姉が海外へ人材発掘に向かったため、代わりに領地を守る。が、実務は全て執事長に一任されているため、名目上のただの御飾りである。
本人もそれは分かっているため責任感は一切ない。

エイドリッヒ・ラクトンブレッド


オルトランド家に仕える庭師の息子。
幼少の頃からのリリーアの遊び相手であったため、専属の執事として採用された18才。
こちらも名目上の役職であり、一部からは「ごっこ遊び」と揶揄されているが、本人はいたって真面目な性格であるため、執事の職務を全うするための努力を怠らない。

エミリーナ・ミーアキャット


捨て子。リリーアの姉に拾われ、リリーアと共に育ってきた吸血鬼。メイドとして育てられた16才。
ラクトンと3人合わせて幼馴染み。
生い立ちをものともしない能天気。

シュタインリッヒ・アルバトロス


執事長。当主不在のオルトランド家を切り盛りする影の功労者。その人望は厚い。

ウォルス・バーゼラルド


オルトランド家の平執事。若造がコネで出世したのが気に食わない。

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