(三)-2

文字数 257文字

「へぇ。頼りになるじいさん、ってわけだ」
「俺たちは互いに助け合い守りあう。それを王さんは自ら率先してやってきた。だからいまボスの座にあるってわけだ」
 そう言い終えたところで、金髪が倉庫の暗闇の中で何か気配を察した。誰かいる。
「どうしたんだ」
「誰かいるように感じたんだが……」
 二人は荷物に寄りかかりながら左右を見回す。
 荷物の壁は整然と並べられているが、二人の背後の区画については、荷物が輪を描くように配置されていた。隙間から中を覗くことは可能だったが、明らかにここに何かを隠していると意図せず示していた。

(続く)
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