(二)-10

文字数 351文字

 拳銃を持った男も青のチンピラも大きな音以外何もないのを確認するのに数秒かかった。撃たれたハズの自分の体は痛みを感じていなかった。同時に撃たれたところを触ってみても特に変化はなかった。その上、シャツも血に染まっていない。……どういうことなのか。
 青地の開襟シャツのチンピラが拳銃の男の方を見た。そのときこの男は、まさしく自分の方に殴りかかってきている真っ最中であった。そして拳銃の銃床で脳天を痛打された。強烈な痛みで青いチンピラは気を失った。
 その後、茫然自失だった赤いチンピラが立ち上がり、タックルするように拳銃の男の背後からウエスト部分に手を回して体を掴んだ。
 しかし、男は同じく拳銃の銃床で赤いチンピラの脳天を力一杯殴ってきたおかげで、青いチンピラと同じく、痛みで意識を失うことになった。

(続く)
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