(二)-3

文字数 308文字

 公安の男がそう言い終えると、停めてある車の脇を一台のバイクが前方から後方へと通り過ぎていった。
 市波はバックミラーでその姿を見た。夜なのではっきりとは見えなかったが、バイクを運転している人物は背中にリュックサックのような大きいものを背負っていた。
「いいんですか、行かせてしまって」
 助手席のドアミラーの中で小さくなっていくバイクのテールランプを凝視しながら六条巡査部長が尋ねてきた。
「良くはない。先月の死体、見ただろ。手練れの仕業だ。なら、アイツの仕業に間違いない。ただ、今のところ証拠がないんだよ。まあ、あいつがここで撃ってくれてりゃ現行犯でいけたんだがな。ともかく今は別の班のヤツが尾行する。問題ない」

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み