第7話 接点

文字数 446文字

 消防署の前にそびえ立つ交差点の角の鶴見警察署の廊下で浩一は鳴海刑事に呼び止められた。
「田崎巡査!」
 浩一が振り返ったら鳴海刑事が小走りに追いかけてきた。
「田崎巡査!西山航とは知り合いかい?」
 やはりそう来たかと浩一は身構えた。
「ええ、幼馴染ですが、どうかしました?」
「西山航とはいったい何者なんだ?」
「えっ?」
「いや、いい。何か言ってなかったか?」 
「何がです?」
 言葉を選んだ。確実に探りを入れられている。
「いや、そうか。知らないか。それならいい」
「そうですか」
「君は本部長の息子だから、この前の対策本部会議に出ていたのかい?」
「どういうことですか?何を言っているんですか?鳴海刑事」
「い、いや、いい。忘れてくれ」
 
 おそらく鳴海刑事は春奈を疑っている。もしかしたら何かつかんだかもしれない。
 足のつかない車で二人を逃がしたのは良いが何とか手を打たなければならないと浩一は焦った。
 何か新たな証拠を見つけて早く無実を証明しなければ。航、頼むぞ。
 お前の大切な人だろ。
 浩一は願いを託した。

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登場人物紹介

西山航。主人公。サラリーマン。

内縁の妻の桜見春奈。

田崎浩一。警察官。航の幼馴染で親友。

スーパーマーケット井田の親父。井田正人。

スーパーマーケット井田の奥さん。井田優子。

平野誠。暴力団、渡辺組の組員。

刑事の鳴海。

山本組の向井悟。

山本組の組長の山本。少し謎の人物。

渡辺組組長の渡辺。

渡辺組の近藤。

坂口。山本組の組員。山本の部下。

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