第3話

文字数 573文字

ともあれ、何事もなく、ベラくんは無事に日本の地獄につき、問題の赤子を連れ帰った。前置きが長すぎる割にさっぱりと事が進んだが、そこは無視していただいて、、。

一度あることは三度ある、というのは、地獄でも例外ではないようで...




「っ、は、はぁぁぁぁぁぁああああ?!オレにその子供を育てろってぇぇ?!
なんでそーなんだよ!良い加減にし、はぁぁぁ。
あーそーだよなそーだよな。面倒事はなんでもオレに押し付ければいいって思ってるんだろ。時々なんか耳障りの良いこと言っていつもオレに一人でさせてるもんなぁ!」

「え、ええと、ベリアル。気持ちはわかるが落ち着いて。」

「ベレト!これで落ち着けると思うのか?...こいつ、オレ以外でも良いはずなのに、いっつもオレだけに面倒ごとをさせてるんだ!」

「ちがうよぉ! ...いや、ちがわないかも。
僕、頼れる人が君しかいなくて、それで、僕、君ばかりに、グスッごめんねごめんねごめんね、ぅぅぅ。う、うわぁぁぁぁぁぁぁん」

「え、わ、分かったよ。オレがやるから、なくなよぉ!」

「ごめんねー。ベラくんホントいっつもありがとねー♪じゃーねー」


ってわけでベラくんが育てることになりましたとさ。

後にベラくんは『さすがにあんときのオレはちょろすぎたと思うよ。でも、あいつが泣いてるのを見てちょろくならない奴なんていないだろ♪』、と語っている...








ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

主人公の前世の姿。見た目は完全に外国人の赤ん坊なのだが、何かの手違いにより死後に日本の地獄の賽の河原にいるところを鬼に発見された。

日本ではない地獄に住んでいる美しい美貌の悪魔。前世の主人公を日本の地獄から自分の住む地獄に戻す仕事を引き受け、前世の主人公と出会うことになる。時々パニックを起こし、ヒス構文になる。通称ベラくん

ベラくんに前世の主人公を迎えに行かせた悪魔。ベラくんをおだてているようでバカにしてもいる。悪意はないらしい。

名前はベレト。

この小説の中で一番の正直人(常識悪魔?)である。不憫な目にあいやすいベリアルを心配している。

トランペットが好きらしい。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み