第6話

文字数 314文字

「あーしは烏滸乃沙汰 迂遠。よろしく。」

その一言で教室は、おおっ、と控えめな歓声が上がり、拍手がこだまする。

その音にデジャヴを感じながら迂遠____生まれ変わった主人公は、転校生として、今日からともに多くの経験をするであろう仲間たちに歓迎されながら、それを受け入れ、席に着いた。

耳慣れないチャイムがなり、好奇心が隠せない様子の仲間たちに囲まれ、すんとした顔で黙っていると、最初に話しかけてきたのは、隣の席に座っている、少し長めの天パを適当にくくった少年だった。

いや、正確に言うなら、最初に話しかけてきたのは、自分の頭の中から話しかけてきているベリアルなのだが。

いや、もっと正確に言うなら、ベリアルが変身した双子の片割れなのだが。
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登場人物紹介

主人公の前世の姿。見た目は完全に外国人の赤ん坊なのだが、何かの手違いにより死後に日本の地獄の賽の河原にいるところを鬼に発見された。

日本ではない地獄に住んでいる美しい美貌の悪魔。前世の主人公を日本の地獄から自分の住む地獄に戻す仕事を引き受け、前世の主人公と出会うことになる。時々パニックを起こし、ヒス構文になる。通称ベラくん

ベラくんに前世の主人公を迎えに行かせた悪魔。ベラくんをおだてているようでバカにしてもいる。悪意はないらしい。

名前はベレト。

この小説の中で一番の正直人(常識悪魔?)である。不憫な目にあいやすいベリアルを心配している。

トランペットが好きらしい。

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