第7話 ポーカー

文字数 1,265文字

色々と紆余曲折があったけれど、ついに始まった財布(空)を賭けたポーカーゲーム。

ついでにクソ宇宙人の婚約権利を賭けて。

じゃあ、カード配るよ
待って。何でアンタが配る事になってるのよ? 

公平を期するために、中立の立場であるキドに頼むのは当然の流れ。

これ以上の理由は必要かしら?

いや、コイツぜったいアンタ側の人間でしょ。異議を申し立てるわ。
何よ? じゃあ他に良い案があれば聞くわ
ここで公平を期するというのであれば、当然配るのは私であるべきよ。清廉潔白、純真可憐、清潔無垢、極悪非道である、この私に!
言ってて虚しくならない?
一応最後だけは合ってるわね
私の抗議は何故か却下され、宇宙人が配る役に。何の面白みもない配り方で、私と來海の前にはトランプのカードが五枚置かれる
じゃあ、今から始めるけど、後で後悔はしないでよね。
待った。ゲームを始める前に言いたい事が一つあるわ
何よ? 今更ゲームを降りる気?
条件を付けるわ。「どんな理由があろうと、この店内から出た時点でその人の負け」という条件を。
? どうしてそんな条件を?
負けが濃厚になった時点で、そこの窓ガラスを破って逃走して、あれは戦ってないからノーカウントです!なんて言う訳の分からない難癖をつけられても困るからよ
自分で自分の首を絞めていくスタイル?
この条件を満たさない限り、私はゲームを続けないわ
いや、別に良いけど……困るのはそっちだけだと思うわよ?
オッケー。ギタギタに叩きのめして吠えずらかかせてあげるわ……!
手元にあったカードを手繰り寄せる。配られたカードは既にワンペアが成立されている。
(まぁ、まずまずね。チェンジは二回までだからここは……)
3枚チェンジ
スッと配られてくる3枚。だが、それらは噛み合わない。
(うーん、苦しいわね)
あらあら、そのチェンジの仕方から見ると、ワンペア成立ということかしらね
抜かせ、この小娘が……って、アンタ何してるのよ? カード見ずに
見ればカードは配られたままの状態。未だに一度も見ていなかった
宣言するわ。私はこのままでいい
ざわっ、と店内が驚く。知らぬ間に私達の周りにはギャラリーが湧いていた。
はぁ? 正気なの?
ええ。これで貴女に勝って見せるわ
抜かせ……! 
私は更に3枚チェンジを行い、何とかツーペアの役を成立させる。
(まぁ、上出来ね。そんな大きな役がそうそう転がりこんでくるわけじゃないから)
じゃあ、勝負よ!
ふふ、お先にどうぞ。
私のカードは「ツーペア」そっちは当然ブタ(手役なし)でしょ!
あらあら、そんな安い手で……
來海は配られたカードを一枚にまとめ、手で隠して、絵柄の方を向けて晒す。
私に勝てると思っていたのかしら?
…………は?
ふ……フルハウス!? 嘘でしょ!?
なんとビックリ、フルハウス。チェンジを一度も行わずこの女はかなりの高い手役を成立させていた。
ほーっほほほ! まずは私の一勝ね!
ちょ、ちょっとマコ! これはまずいんじゃない!?
…………
マコ?
今からさっきの条件の話撤回させてもらえないかしら?
あ、これ、ダメみたいですね
To be continued!
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登場人物紹介

桜(さくら)真琴(まこと)


前作「暴走少女」から引き続き主人公に抜擢された女子中学生。

金に目が眩み、壮大な婚約者の席争奪戦に巻き込まれた。

どんなことでも手段を選ばない恐ろしい主人公

真琴の母親


超が付く問題児の真琴を世話する母親。

彼女自身は一般常識はあるのだが、どうして自分の娘がこうなったのかは

今でも理解できない。


ただし、怒ると暴力的になる所はソックリである

愛ちゃん


この小説の中での癒し。

可愛い外見と仕草で男をイチコロ。きっと将来(以下ry


運動部所属で真琴のボケをひたすらツッコむ友人。

よき理解者でもあるが、彼女自身も結構変人になってきた感はある。

城戸(きど)拓海(たくみ)


そもそもの原因である宇宙人。

婚約者を探しにやってきたというのに、色んな女性に手を付ける始末。

しかし、当の本人は悪気はなし。


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