一の色 描くこと・書くこと

文字数 755文字

 絵を描くことと、文章を書くこと。
 これが一等好きなことだ。下手ながらイラストを描いたり、文章を書いている時は幸福だ。
 ごくたまにおかしなコメントを食らうこともある。「星ひとつ」の評価を叩きつけられることもある。いや、そもそも何かをネットにあげて、反応があること自体珍しい。
 それでもずっと作っているのは、やはり好きだからなのだろう。
 しかしこれまでの人生で三回、まともに絵も文章も作れなくなったことがある。
 うつ病だ。
 特に絵の方は崩れようが激しかった。服薬の副作用か指が震え、線一つまともに引けなくなったのだ。鉛筆描きの時はともかく、ボールペンでペン入れする時はどうにもごまかせない歪みが生じる。
 キャラの顔の輪郭はがたがたに崩れ、「少し描いてはペンを紙からいったん離し、またつなげて少しずつ描く」という対処をするしかない。それでもどうにもしようがなくなり、一時期は色鉛筆で小児(こども)の落描きのような花の絵ばかり描いていた。
 現在(いま)は幸い、それなりに絵も文章もこしらえられるようになった。「あの三回の画力・筆力崩壊がなければ、今頃はもう少しましなものを……」と思う時もたまにある。
 けれども自分で自分の腕を傷つける悪癖(あくへき)もなくなって、傷あとも薄れてのうのうと生きているのだから、それだけでありがたいものだと思う。
 当の本人がそんなものなので、ものをこしらえる時、特に文章を作る時は「どれだけひどい目に()わせようと、最後には出来るだけ幸せに」と念じながら、ちょこちょこ話を書いている。
 ただただ戦うだけの映画やお話は、だからあんまり好みでない。と言いながら何故か好きな映画の一つは、吸血鬼映画の「ブレイド」シリーズなのだから、我ながらつくづくおかしな奴だ。
 このエッセイは、そんな自分の好きなことを連ねていく話である。
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