四の色 飲むこと

文字数 1,003文字

 飲むことが好きだ。
 と言っても、お酒ではない。第一医者に止められている。
 うつ病の薬とお酒は相性が悪いのだ。いっぺん薬を飲み始めてから、「このくらい大丈夫」
とカルーアミルクを一杯飲んで、盛大に吐き戻したことがある。ああこれはアカンな、と薬との相性の悪さを痛感し、それからはまともに酒を口にしなくなった。ご、ごくたまに紅茶にティースプーン一杯ブランデーを入れるくらい……か、香りづけに……(コソッ)
 と言うことで、いつも飲むのはお茶である。今の季節ならココアやホットミルクも良い。
 この頃はティーバックのルイボスティーもよく飲んでいる。水を入れた鍋にバックをぽんと入れ、沸騰して二~三分待つだけなので楽なのだ。
 しかし、ちょっとばかり手間はかかるが、やはり紅茶やほうじ茶も美味しい。少しお子ちゃま味覚なのか、紅茶はミルクティーが好きだ。
 まずお湯を沸かし、先にポットとカップにお湯を入れて温める。そしてお茶を()れるためのお湯を改めて沸かし出す。二度目のお湯が沸いたらポットの湯を捨て、そこに茶葉を入れる。沸かしたてのお湯を注いで、大体三分。温め用のお湯を捨てたカップにお茶を注いで、ミルクをその上から注ぐ。うん、美味しい。
 そしてほうじ茶も捨てがたい。何を隠そう、家には特別な道具があるのだ! その名も「焙烙(ほうろく)」!
 この焙烙、お茶やゴマを炒るための道具である。形状はちょっと説明しがたいので、気になった方は検索していただきたい。とにかく炒ったものをするんとストレートに器に移せる、大変便利な形をしている。自分の語彙力(ごいりょく)のなさが恨めしい。
 とにかく、これで緑茶の葉を(ほう)じて淹れたお茶の美味しさたるや! この頃は「フライパンでも出来る」と言われ、お手軽に作れるほうじ茶だけど、昔ながらの道具を使って作るそれは一味も二味も違うのだ。だまされたと思って試してほしい。ちなみに焙じている時の香りも大変美味しい。
 まあそんな訳で、こうして日々いろんな飲み物を口に入れている。
 割り切れば飲むものなんて「ただの水」だけ摂取していれば良いのだが、そこをわざわざ色々こねくり回せるようになった、自分の余裕を喜びたい。
 出来ればお茶の話を書きたい。そしてあわよくば、「焙烙」の素晴らしさを(うた)った話を世に出して、焙烙ほうじ茶をいろんな方に味わってもらいたい!
 と思いながら、元気なお茶の芽のようには、芽の出ない今日この頃なのである。
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