7-4.歩兵分隊の構成について

文字数 1,766文字

 こちらでは、分隊の戦力についてご紹介して参ります。

 ◇

 本作の最前線では、何かと表に出て参ります〝分隊〟という単位。
 軍においてはまず最小の行動単位であるだけに、戦闘の最前線を描くに当たっては、ことさら描写の機会が増えることになります。

 では、この分隊の構成を申し上げると。

 まず分隊は2班一組で構成されます。
 なぜ2班かと言えば。
 1班が掩護射撃で敵を釘付けにしている間に、もう1班が移動する――この役割を交互に担うためです。なので、班ではなく分隊が最小行動単位となっています。

 ではこの班、どのような構成になっているのかと申せば。
 〝惑星連邦〟軍では、歩兵分隊の班は下記の5名から成ります。

1.前衛:敵へ向けて真っ先に前進する役目。また、移動時は進行方向の警戒を担います。
2.狙撃手:前衛を掩護する役目。主にピン・ポイントで敵兵を狙い撃ちます。また、移動時は進行方向の警戒を担います。
3.支援射撃手:掩護のために弾幕を張る役目。このため、連射を前提とした軽機関銃を装備します。また、移動時は側方の警戒を担います。
4.擲弾手:前衛を掩護する役目。敵陣に派手な爆発物(主に擲弾)を撃ち込み、防御を強います。移動時は側方の警戒を担います。
5.後衛:掩護と警戒を担う役目。移動時は〝しんがり〟として後方警戒を担います。

 このうち、主として前衛か狙撃手が班長として指揮を執ります。2班の班長は、それぞれ分隊長と分隊副長が担当します。

 さて、班の各員の装備ですが。
 それぞれが担う役割に応じて、装備が多少異なります。

1.前衛
 機動性と近接戦闘を重視します。
 主な兵装は突撃銃と短機関銃、接近戦用として拳銃やナイフを持ちます。
 また、接近戦を身上とすることから、突撃銃の銃身下には、オプション装備の散弾銃ユニットを装着します。これは接近戦で散弾を敵に浴びせるだけでなく、扉の鍵をスラグ弾(一粒弾)で撃ち抜く狙いもあります。この散弾銃ユニット、〝扉を開ける〟という役割上、〝マスタ・キィ〟とも呼ばれます。

2.狙撃手
 前衛ほどではありませんが、機動性を重視します。
 戦闘中に頭を覗かせた敵を撃ち倒すことに集中するため、突撃銃の扱いに長ける人員を充てます。
 前衛を掩護する狙撃が主な任務ではありますが、前衛がいくらか前進した暁には、次鋒として前進します。
 主な兵装は突撃銃、拳銃、ナイフを持ちます。軽機関銃を持つこともありますが、それより軽装であることを重視し、狙撃に集中することを選ぶ場合もあります。
 なお、狙撃銃を装備するのは中隊規模の編成からで、火器小隊がこの役割を担います。

3.支援射撃手
 掩護射撃の専任と言っても差し支えない役割です。
 とにかく弾幕を張り、敵を物陰に隠れさせ、その結果として〝敵の視界と自由を奪う〟ことが主任務です。
 主な装備は軽機関銃。銃弾は突撃銃と共通で、班内で弾薬の融通を利かせます。他に自衛用として拳銃を装備します。

4.擲弾手
 擲弾(爆発物を撃ち込む)とは言え、基本任務は前衛と狙撃手の掩護です。時折榴弾や手榴弾を混じえますが、通常は突撃銃で掩護の弾幕を張ります。
 主な装備は突撃銃、この銃身下にオプションの擲弾銃ユニットを装着します。
 場合によっては、携帯ロケット砲や対装甲ミサイルといった歩兵用重火器を装備します。

5.後衛
 基本は掩護ですが、予期せぬ方向からの奇襲に備える警戒役でもあります。
 いざという時は敵に直面するため、前衛に次いで接近戦に備えます。
 主な装備は突撃銃、軽機関銃、拳銃、ナイフです。

 以上が〝惑星連邦〟陸軍の班内における、主な役割分担と装備です。
 この役割分担は用兵思想によって大きく変わるため、あくまでも〝惑星連邦〟(特に作中の歩兵部隊)における考え方とご承知おきください。
 部隊によっては一班4名構成であったりと、また運用が変わることもあり得ます。

 ◇

 あくまで作中の運用を前提とした編成ではありますが、以上が分隊(より正確には歩兵小銃分隊)の構成です。

 本作品に関わってくださった全ての方へ、感謝を込めて。

 それでは引き続き、よろしくお願いいたします。
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