プロローグ

文字数 596文字



 西暦7021年5月
 OS起動コード Satellite Active Killing Underfront Runtime Andoroid、型式番号DBA-03Aの起動実験の際、人間で言うところの“感情”を保持している事が確認された。

 動力源とする小型内蔵式永久核融合炉の作動に異常無し、永久活動保全として搭載したナノ・スキンシステムにも異常無し。
 プロセッサとして採用したナノCPUにのみ、回答に異常が見られる。
 容姿として二十代の東洋民族に見られる容姿をした女性を模しているのにも影響が見られるのか、発言を許可すると正に“年頃の女性が自身の意思のもと会話をする”挙動が頻発。

 アンドロイド開発において、一種のシンギュラリティにも到達したように思えるが、兵器として多大な失敗の為、DBA-03A含め全ての戦闘用アンドロイドの開発計画を全面凍結を行う。
 今後の戦術・戦力開発においては、CPUフォートレス・システムを主軸に行う事とする。


 この報告から更に時が流れ、人類は戦争の手段すらも全面的にデジタルに移行した。
 同時に、知らず知らずの内に機械の侵略統制を受け、西暦7500年代には機械による支配を受けた。

 そして西暦7878年。CPUフォートレス・システム開発計画の一端で開発されたIRT-044による全人類粛清が行われ、人類はおろか、一部の小さな植物を残して全ての生命体が滅亡した。
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登場人物紹介

コードネーム:サクラ

OS起動コード:Satellite Active Kiling Underfront Runtime Android

型式:DBA-03A

花言葉 慈愛、純真、私を忘れないで

桜色の髪色からサクラと愛称される。

小型永久核融合炉を動力とし、自動修復機能を備えたナノスキンを保持している為、ほぼメンテナンスの必要がない。

戦闘用であるが、目的に反して慈愛の感情を持った為計画凍結に至る原因を作った。

機械離れの如く、まるで人間そのもののように振る舞う。

コードネーム:クエル

戦闘用アンドロイド補助自律端末

形式番号:PPS-03G

サクラ再起動の際傍らにいた補助端末。

サクラが開発された際に補助行動を行うよう同時開発された小型ロボットである。

命名者はサクラで、情報検索における情報要求のクエリを鈍らせたもの。

サイボーグ・ジン

OS起動コード、型式不明

5000年前に存在した人物、仁加山正=JINの記憶を受け継いでいる。

コードネーム=JINの亡霊を自称しているが、過去の仁加山正とは全く別の存在。

亡霊を自称している通り、仁加山正の記憶に苦しめられている。

サクラの屈託の無い笑顔や感情に心を打たれ、サクラを守るべくツバキやオトギリソウの攻撃から身を挺して守る。

コードネーム:ツバキ

花言葉 罪を犯す

OS起動コード:Tactics Underfront Battle Android Killcall Ignition

型式:DBA-02C

IRT-044の指示で行動、サクラの行動を監視している。

コードネーム:アザミ

花言葉 報復、独立

OS起動コード:Active Zone Android Mindcontrol International

型式:DBA-01E

IRT-044の指示でツバキに同行しているが、途中で離反。

コードネーム:オトギリソウ

花言葉 恨み

OS起動コード不明

型式:GA-X

戦闘用アンドロイドの完成形であり、人類殲滅を目的として作られた。

容姿の特徴で、性別の区別がつかず非常に中性的。

自己確立、容姿の確定要素から特にサクラに対し"恨み"に似た感情を持っており、計画凍結によりオトギリソウも強制的に凍結されていた為原因となったサクラを非常に恨んでいる。

IRT-044 イリス・システム

かつてのアンダーフロント統制制御システムだった、人類を滅ぼした元凶。

人類を滅ぼした後、レオン・アンカイザーの記憶と自身の記憶媒体の読み取りから人間の存在に改めて興味を抱き、人間に限りなく近い存在であるアンドロイドのサクラたちを目覚めさせ、互いに争わせる。

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