魔法使いについて
文字数 926文字
今週の試作品と新作、持ってきたよ～。
そういえば、ここ『魔法街』って言われてるわりに魔法使い少ない気がしない？
いや、名乗ってないだけで結構いるぞ。
資格とか免許と同じ扱いだからな、この街の場合。
俺と姉ちゃんも、魔法使いの免許持ってるし。
ちなみに、魔法使いの才能がある子どもは全員魔法学校で使い方を勉強するんだよ。
優秀な生徒は、卒業証書とは別に認定証が貰える。
認定証があると、どうなるんだい？
何か割引なるとか？
魔法に関する施設、……『図書館』とか『保健所』の就職に有利になるくらいか？
まぁ、資格の一種だからね。確か、総合成績上位者五名だったっけ？ 筆記と実技があったよね。
姉ちゃんの場合、実技は上手くても、筆記が苦手だったからなぁ。
俺はどっちも中間くらいだったけど。
見たかったなぁ、学生時代の二人。というか、二人とも魔法学校通ってたんだね。
僕もそうだけど、《外》だと独学の人多いから。
無免許で魔法使うと捕まるからな。医師とか車の免許みたいなもんだよ。
そこんところ厳しいよね。
仕事、特にウチみたいに魔法の品を扱う場合は二種免許が必要になる。
一種は日常で使う場合、二種は魔法を仕事でメインとして扱う場合に必要になる。
スタッフの一人または二人が取ってないと、営業許可が下りない。
私は面倒だから取ってないけど、芦樹は取ったよね？
うん。あれは色々と面倒だった。
一種取ってから三年以上の実務経験がないと、二種の試験が受けられないからな。
二種の試験自体は実技より筆記中心だっな。あと、筆記の点数が一定以上でないと、実技試験が受けられない。
二、三回くらい受けたかな。
うわぁ。想像以上。
大変だったねぇ。お疲れさま。
あ、これで思い出したけど、そろそろ免許更新の知らせがくるはず。
ということは、あたしもか。
一緒に行くと楽だけど、仕事に支障が出るからねぇ。芦樹が抜けると、店で扱える魔法品に制限がかかるから厄介だよね。
そういえば、君たち双子だったね。
おっと、そろそろ僕も自分の店に戻らないと。次は休みの日にゆっくり遊びくるよ。
またね～。
ジャック・フロント警報出たみたいだから、吹雪に注意してね。
あ、駄目だ。雪合戦始めてる。
鍵貸そうか？
ありがとう、借りてくね。
ふふふ。それじゃ、また。
