第46話 誰からも

文字数 457文字

2024年1月1日(月)
新年が明けた。
昼過ぎまで待ったけれど、誰からもあけおめLINEはこなかった。
寂しい。
めちゃめちゃ寂しい。
誰からも、何もない事実が、本当に寂しい。
誰も私のことを思ってない証拠だ。
寂しさに負けて、いそいそと私からあけおめLINEを入れた。
普段から仲良くしている人たちに。
仲良しと思っているのは私のほうだけなんだと痛感しながらLINEを送った。
数分後、もしくは数時間後にみな返事はくれた。
そう、返事。
私が送ったから返ってきただけ。
それだけのこと。

がっくりしてたら、夕方に地震があった。
震源地からは遠かったけれど、かなり揺れた。
余震にビクビクしながらテレビで情報をずっと見てた。
その間、やっぱり誰からも、何もなかった。
「地震やったね、大丈夫?」
的な連絡は、やっぱり誰からもなかった。
もう私から送ることもしなかった。
「こんなもん、こんなもん」
と自分に言い聞かせた。
誰も、私に関心なんてない。
旦那に改めて伝えた。
「私が死んだら、直葬でいいからね」
通夜も告別式も必要ない。
報せても、きっと誰もこないから。
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