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文字数 467文字

 続いて、スキオもバントの構えをしているが、ツウアウトだから、バントしても意味がない。

 これは、シンヤのサインではなく、スキオが自分の判断でしているのだ。スキオはスシオと違ってバンドが得意なのだ。双子でも何から何まで一緒というわけではない。

 ゴンタは、バカがツウアウトからバントするか、というようにうすら笑いを浮かべて、ゆっくりのボールを投げてバントさせた。

 バントはピッチャー正面にころがった。

 だめだとみんなが思った瞬間、スキオがイノシシのように、一塁をかけぬけた。

 ハエー、とみていた見物人からいっせいに声が上がった。

 ん、なわけで楽々セーフ。
 
 ツウアウト、ランナー一、二塁のチャンスで、一番のタッチンに回ってきた。

 タッチンはここで打てばヒーローになれると、バカみたいに力んでいる。肩に力が入りすぎているのが、あきらかにわかる。

「肩の力を抜いてー、リラックスリラックス!」

 ガチャコが、二塁ベース上から叫ぶ。

 結局タッチンは、打ち気にはやりすぎて、クソボールを振ってしまい三振。タッチンは、悔しそうにバットを叩きつけている。



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