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文字数 289文字

 二番エロチンは、まだノーヒット。

 今日のエロチンは、いつものようにヘラヘラしていない。

 初球を空振りしたようすを見て、打てないと思ったシンヤは、バントのサインを出した。

 何とか必死にバットに当て、送りバントが成功した。

 役目をはたしたエロチンが、ベンチにもどりホッとしたように大きなため息をついた。

 次はオレの番。

 オレは今日、ショートゴロで相手のエラーを誘い、一度だけ出塁していた。

 オレは応援にきている女の子たちの前で、ハナガタミツルのようにホームランを打って、かっこよく決めてやろうなんていうよくを捨てて、チームのために、どろくさく出塁することだけを考えて打席に立った。


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