第8話 目を合わせてはいけない
文字数 195文字
霊と目を合わせてはいけないことくらいは、知っている
そもそも視えないのだから合わせようもない
と、思っていた
沖縄の海岸に面したホテルで
夜の風を感じにベランダに出ていた
暗闇の中で聴く潮騒は心を和ませたが
何気に崖の方を見た時ナニかと目が合った
!
見えるはずの距離ではないのに
そう感じた途端に鳥肌が立った
慌てて部屋に入り、窓を締めた
遅かった
薄暗い玄関にある鏡に
視えない目にも見える人が
こちらを向いている
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