第10話 32時間後
文字数 206文字
「32時間後です」
男は、ほんの数瞬考えた
「もう皆んな帰っていいよ」
部下たちは騒ついたが、明るい声がした
「じゃあ、お先でーす」
一番若い女性職員だった
きっかけを得て、皆が去っていく
「merry Xmas!」
男が、精一杯の大声で叫ぶと
何人かは笑顔で声を返した
「じゃ、僕も帰るとするか」
時計を見ながら
今日はタクシーで帰ってやろうとほくそ笑む
暗い室内のディスプレイには
地球を破壊できる大きさの隕石の到達時間が表示されている
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