天地創世
文字数 2,153文字
第二次世界大戦が終結した後も、地球に平和は訪れず、冷戦の時代に突入したのは衆知の如くである。
ユーラシア大陸の極東、私達が暮らす日本列島もその激動に巻き込まれ、後世の教訓とすべき
しかし、それに勝るとも劣らぬ重大事件が、あの小惑星衝突であったのは言う迄も無い。
辛うじて絶滅を免れた我々人類が、地球文明の再建を決意してから早くも歳月が過ぎ、各国がどうにか復興を果たしつつある中、日本国家もまた、右往左往しながらではあるが、取り敢えずは新年の太陽を遥拝する事ができた。
2675(聖徳五)年1月
関東州 東京府 東京市
日本帝国の元首である西宮堯彦と、前任者の大覚寺雲母日女が、江戸千代田城から正月の御挨拶を放送していた。しかし雲母日女は、御自身の「爆乳」とやらを見せびらかすだけで、一体何を話されているのか、良く分からなかった…。
十三宮仁は、私の幼馴染み的な家族で、初対面の頃から私に好意を抱いてくれている、大切な(少し病んでいる)人。今日は、私達が関わっているゲーム同好会(同人サークル)に、新しい参加者が来るらしいので、その人と会いに行く予定である。
大森貝塚から北西に、広大な武蔵野台地を移動し、武蔵野市に到着。そこで私達は、橘ラインハルト立花という新登場キャラクターに遭遇した。橘立花は、私達と一緒にゲームを制作したい!と提案しに来たらしい。具体的には、ここ武蔵野市を主な舞台とし、ヒロインが9人ほど登場する「ギャルゲー」を創りたいとの事。詳細に関しては、
帰宅後、入浴を済ませる。何歳になっても「体を洗ってあげますよ^^」という態度で接する十三宮聖は、いつまで経っても「お姉ちゃん」である。私達が出掛けている間、
地学の研究対象である地球は、岩石圏・水圏・大気圏という三つの領域に大別される。このうち、岩石圏を取り扱う分野としては、地質学・火山学・地震学・測地学・地形学が挙げられる。地形学は、地球表面の形態がどのようにして造られたのか、その成因を探究する科学であり、自然地理学とも重複する分野である。
例えば…東京周辺に広がる武蔵野台地は、大氷河時代(新生代 第四紀 更新世)の洪水や地殻変動によって形成された、隆起扇状地という洪積台地であり、造られた年代・地域に応じて、古い順に「
その後、橘立花が創りたがっていたギャルゲーを、同人サークル「スライダーの会」が、実際に制作する事となった。
武蔵野市の幹雄が原作を考案し、東京大森・蒲田の十三宮顯、宇都宮市の三浦フレデリックらが制作に携わり、試行錯誤を重ねた。
ヒロインは「雨宮りこ」ら9人に、隠しキャラ「いおり」を含めた10人で、その人数からタイトルは『Nine Lives』と命名された。
原作者である幹雄自身も、主人公の親友として出演するほか、『Planet Blue』シリーズの日向風信・橘立花・十三宮仁もゲスト出演する事に。
こうして、新作企画『Nine Lives』が公開された…という次第である。