外見と中身

文字数 1,015文字

お洒落をするのが好き。
お洒落ガチ勢ではないものの、自分のスタイルは持っていたいと思う。
香水が好き。
これもガチ勢ではないが、なんとなく自分を表現するものだと思っている。

目に見える物や印象を左右するものは、なんとなく気にはしている。
つもり。

以前、「見た目はきれいだけど、中身が全然違う」的なことを言われたことがあった。
中身が全然違う、というのは期待する女性らしさが微塵もないから、ということに近かったようだ。
もちろん身体が女性なので身なりを気にすると女性っぽくなってしまうのだが、
なかなかバランスが難しい。

そして私は見た目に対する好き嫌いがとても激しい。
視覚や聴覚情報から物事を処理してしまいがちなので、印象や声のトーンで苦手だと、もうどうにも苦手でしょうがなくなる。

これは完全に外見で人を判断しているという、なんとも人間が小さな話だと思う。

恋人達も基本そうで、相手の中身が分からずとも「外見が好きだから好き」状態のことばかりであった。
思い返せば、そのことによって胸キュンな経験ができたこともたくさんある。
ありがたいことだ。

ただ、お互い幸せだったんだろうかと思うと、全然そんなことはなかったように思う。
自分のことを大好きな女、が隣にいるなぞの安心感だったり、なんとなく好かれていることからくる「俺が我慢してるんだよな」感であったり。
冷静に考えると腹が立ってくることばかりだった。
多分、理想ばかり押し付けるバカな女には相手もほとほと嫌気がさしていただろう。

基本的に外見が好みの恋人ばかりであったが、一方で最近はその枠に当てはまらない人と夜を過ごすこともあった。
共通しているのは「外見は好みじゃないけど中身が好き」「人として尊敬している」ということだ。
(お酒が入ったときに夜を共にする人が人としてきちんとしている人かどうかは置いておくことにする)
友人からも「それって本当に中身が好きってことですね」と、当たり前のようなハッとすることを言われた。

ということで、私の目はあまり当てにならないらしい。
なぜ自分が幸せになれない見た目が好みなのか。
動物としてバグが起きている気がする。
自然の中だったら自分から命を落とすようなものだ。

逆に、誘惑に抗えという試練なのか。
前世に何かしたのだろうか。
見た目に惑わされるなという神様からの言葉なのか。

結果、どちらが正解ということもないと思うが、常に試されていると思って、人に接してみた方がいいのかもしれない。

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