「かわいい」と言われるには

文字数 1,025文字

最近友人と会う機会が増え、自分という人間が生きてきた時間を振り返る時が多くなってきた。
30を過ぎて生きるのが楽になったこと、自分の性別が決めきれないこと、パートナーが見つけられないこと、今後やりたいこと。
何かと足掻いてなんとか生きて来ている自分のことを言葉にしていってもいいんだなと改めて思った。

結婚して子どもがいる友人が増える中、変わらず話ができる時間は素直に嬉しい。

一体どういう人間と見られているかは分からないが、話を聞いてくれて受け入れてくれる場所は実はあったんだなと思った。

ただ、パートナーがいる人たちを見ていると、自分には何か足りない部分があるんじゃないかと思わずにはいられない。
相手への配慮とか、そもそも人格的な部分とか。
異性からはなんの魅力もないように見えるのか、とか。

『プロミシングヤングウーマン』という映画を観た。
内容は割愛するが、泥酔した女性を合意がないまま抱いているシーンが出てくる。
自分のことを外から見ているように感じた。
男性側も優しい言葉をかけつつも、しっかり抱ける位置に陣取ったり、「きれい」「かわいい」という言葉を投げかけている。
古今東西男性がやることは一緒なのか、と素直に納得してしまった。
酔ってる最中のことは信用するなとはよく言うものの。

私は優しくされたかったんだと思った。
基本的に抱かれてもいいかな、と思っている男性としか泥酔するまで飲みに行かない。
こちらも受け入れられる状態のことが多いからそれはそれでいいのだが。
「優しくして欲しい」とか「寂しい」とか普段言えないことを言わなくてももらえるシュチュエーションだから自分から抱かれるようなことをしていたんだ、とハッと気付かされた。
なのでとても自己中心的な行為なんだと思う。
隙間を埋めてほしいだけで近くにいる人間を誰も愛してはくれないだろうに。
なるほど。相手が悪いのではなく自分が悪いな。
相手を大事にしていないから、自分も大事にされない。

何を当たり前なことを言ってるんだ、このバカ女は、と思ったかもしれないが、今日の今日まで納得するような回答がなかった。
許して欲しい。

自分を大事にすることは相手を大事にすること。
相手に大事にされた記憶が薄いとこうなってしまうんじゃないかと思う。
欲しかったものがない、求められても拒絶された。
だから何かで埋めておかないと。
埋め方が分からないから手っ取り早いものを。
そんな感じでずっと生きていたんだな。
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