第7話 県大会の結果やいかに!?
文字数 1,871文字
同点一位入賞で県大会出場をきめたM市立C中学とM大付属中学の合唱部。いよいよ県大会を迎え、結果発表。県大会を突破し、全国大会出場を決めるのはどの中学でしょうか。両校の合唱部員たちの人間関係は?合唱部の中学生たちのコンクールをめぐる交流・切磋琢磨・友情・・・どうなることでしょう!?
県大会は
結論から言えば、
M大付属中学は一位入賞して全国大会へ
M市立C中学校は残念ながら入賞を逃し、敗退でした。
県大会突破を祝おうと
付属中顧問のイマダ先生が、帰りに少しだけ反省会をかねた祝勝会をしましょうと、皆を盛り上げました。
ヤスコは意気揚々とノリオを振り返りますが、どこへ行ったのか、見当たりません。
トイレにでも行ったのかしら?
さすがの女王もトイレの中まで探しに行く気はありませんが、ノリオだけ祝勝会に置いてけぼりを食ったらかわいそうです。
県大会会場のロビーをトイレに行くほうに様子をうかがいに行くと、
C中学のエイコにノリオが何かを渡しているのを見てしまいました。
何かって・・・そりゃあ・・・なんでしょうね。
女王ヤスコは被害妄想たくましく、(いつの間にノリオと仲良くなってるのよ…油断も隙もないわネッ!)と、拡大解釈して、一人むかついたり、落ち込んだり。
いや、大したものじゃあないんです。
いや、中学生には大切なものかもしれません。
名札です。
コンクール本番、舞台に立つときには、日ごろ胸ポケットにつけている、名札バッチを外すのですが、エイコはうっかり落としたのでした。
ノリオがぼんやりエイコ達のほうを見ていた時に、なにかキラッとするものが、エイコのポケットからこぼれ落ちました。ノリオは急いでひろったのですが、エイコ達は出番のコールがかかり、舞台袖へ急いで向かってしまい、そのときには渡せなかったのです。
エイコたちは県大会突破できなかったことを残念に思いつつも、全力で歌えたことは楽しかったと、ふり返っていました。C中学顧問のケイ先生に引率され、さあ帰ろうとホールのロビーから出口へ向かうところでした。
「すみませーん!名札落としましたよー!」
ノリオはいつもの親切力を発揮して、エイコ達帰ろうとするC中学の集団に声をかけました。
「え、わたしのっ!?」
なんか照れる・・・。急に他校の男子に声をかけられ、周囲の目も気になって、エイコはコンクール本番よりもどぎまぎしました。
誰かと思えば、県大会突破のM大学付属中学のノリオです。ノリオ君って、結構親切なんだなあ・・・。
エイコはノリオから名札を受け取りながら、やっとのことで言いました。
「付属中、県大会突破、おめでとうね。名札、拾ってくれてありがとう。」
「いいってことよ。じゃあ、またね!」
エイコの照れにつられて、ノリオも心なしか上ずった声になりながらも、さわやかに手を挙げて立ち去ろうとしたところに、M大学付属中の女王ヤスコ登場~!!
「何よあんたたち、いい雰囲気じゃない。」
うわあ、これは一波乱か?
でも、予想に反してヤスコはエイコに向き直りました。
「このあいだ、あなたのこと、ノリオになれなれしい嫌なぶりっこって決めつけてたの、撤回して差し上げるわ。」
「え・・・(私はヤスコさんに『ノリオになれなれしい嫌なぶりっこ』って思われてたんですかあ・・・汗)」突然の女王ヤスコのぶっちゃけ話に固まるエイコ。
「C中学、突破できなくて残念だったけど、客席から見てたわよ、あなたの頑張り。女子力完全放棄の変顔してでもいい歌うたいたいあなたの執念、見習わせていただくわ。」
そして、女王ヤスコはノリオにも「ノリオ、しつこくしてごめん…だったわね。今でもノリオのこと一番すきだけど、私だけのものだって振り回すのはやめるわ。」
目標ができたのよ。これから、全国大会に向けて、私たちのパワフルさに、C中学の物語性を・・・やっぱり取り入れたいわ。間に合わないかもしれなくても、挑戦したいのよ。」
全国大会になれば、迫力も情緒も完璧に兼ね備えた強豪校がわんさかくるに決まってるし、小さくまとまるなんてまっぴらごめんよ。」
ノリオはフフッと笑いました「そうだね。ヤスコはその意気だよ。」
エイコはヤスコの迫力に圧倒されながらも、(この信念の強さ、嫌いじゃないわ・・・)と、心の中で呟いている自分に驚きながら、ノリオとヤスコ、今までとはまた違った、いい友情になるのではないかしらと、ほのぼのとうらやましく感じるのでした。
おしまい!
コンクールをきっかけに、ほのぼのとした友情が始まりそうです。M市立C中学とM大付属中学の合唱部のみんな、いい出会いだったのかもね。
県大会は
結論から言えば、
M大付属中学は一位入賞して全国大会へ
M市立C中学校は残念ながら入賞を逃し、敗退でした。
県大会突破を祝おうと
付属中顧問のイマダ先生が、帰りに少しだけ反省会をかねた祝勝会をしましょうと、皆を盛り上げました。
ヤスコは意気揚々とノリオを振り返りますが、どこへ行ったのか、見当たりません。
トイレにでも行ったのかしら?
さすがの女王もトイレの中まで探しに行く気はありませんが、ノリオだけ祝勝会に置いてけぼりを食ったらかわいそうです。
県大会会場のロビーをトイレに行くほうに様子をうかがいに行くと、
C中学のエイコにノリオが何かを渡しているのを見てしまいました。
何かって・・・そりゃあ・・・なんでしょうね。
女王ヤスコは被害妄想たくましく、(いつの間にノリオと仲良くなってるのよ…油断も隙もないわネッ!)と、拡大解釈して、一人むかついたり、落ち込んだり。
いや、大したものじゃあないんです。
いや、中学生には大切なものかもしれません。
名札です。
コンクール本番、舞台に立つときには、日ごろ胸ポケットにつけている、名札バッチを外すのですが、エイコはうっかり落としたのでした。
ノリオがぼんやりエイコ達のほうを見ていた時に、なにかキラッとするものが、エイコのポケットからこぼれ落ちました。ノリオは急いでひろったのですが、エイコ達は出番のコールがかかり、舞台袖へ急いで向かってしまい、そのときには渡せなかったのです。
エイコたちは県大会突破できなかったことを残念に思いつつも、全力で歌えたことは楽しかったと、ふり返っていました。C中学顧問のケイ先生に引率され、さあ帰ろうとホールのロビーから出口へ向かうところでした。
「すみませーん!名札落としましたよー!」
ノリオはいつもの親切力を発揮して、エイコ達帰ろうとするC中学の集団に声をかけました。
「え、わたしのっ!?」
なんか照れる・・・。急に他校の男子に声をかけられ、周囲の目も気になって、エイコはコンクール本番よりもどぎまぎしました。
誰かと思えば、県大会突破のM大学付属中学のノリオです。ノリオ君って、結構親切なんだなあ・・・。
エイコはノリオから名札を受け取りながら、やっとのことで言いました。
「付属中、県大会突破、おめでとうね。名札、拾ってくれてありがとう。」
「いいってことよ。じゃあ、またね!」
エイコの照れにつられて、ノリオも心なしか上ずった声になりながらも、さわやかに手を挙げて立ち去ろうとしたところに、M大学付属中の女王ヤスコ登場~!!
「何よあんたたち、いい雰囲気じゃない。」
うわあ、これは一波乱か?
でも、予想に反してヤスコはエイコに向き直りました。
「このあいだ、あなたのこと、ノリオになれなれしい嫌なぶりっこって決めつけてたの、撤回して差し上げるわ。」
「え・・・(私はヤスコさんに『ノリオになれなれしい嫌なぶりっこ』って思われてたんですかあ・・・汗)」突然の女王ヤスコのぶっちゃけ話に固まるエイコ。
「C中学、突破できなくて残念だったけど、客席から見てたわよ、あなたの頑張り。女子力完全放棄の変顔してでもいい歌うたいたいあなたの執念、見習わせていただくわ。」
そして、女王ヤスコはノリオにも「ノリオ、しつこくしてごめん…だったわね。今でもノリオのこと一番すきだけど、私だけのものだって振り回すのはやめるわ。」
目標ができたのよ。これから、全国大会に向けて、私たちのパワフルさに、C中学の物語性を・・・やっぱり取り入れたいわ。間に合わないかもしれなくても、挑戦したいのよ。」
全国大会になれば、迫力も情緒も完璧に兼ね備えた強豪校がわんさかくるに決まってるし、小さくまとまるなんてまっぴらごめんよ。」
ノリオはフフッと笑いました「そうだね。ヤスコはその意気だよ。」
エイコはヤスコの迫力に圧倒されながらも、(この信念の強さ、嫌いじゃないわ・・・)と、心の中で呟いている自分に驚きながら、ノリオとヤスコ、今までとはまた違った、いい友情になるのではないかしらと、ほのぼのとうらやましく感じるのでした。
おしまい!
コンクールをきっかけに、ほのぼのとした友情が始まりそうです。M市立C中学とM大付属中学の合唱部のみんな、いい出会いだったのかもね。