第21湯 魔人の手に負えない彼
文字数 3,342文字
「おい。ナニをする気だ」
「だからナニを上書きする気だけど」
「上書きだぁ? ふざけるな」
ベッドに濡れた真っ裸のまま横たえられた、まではよかったのだが、そのまま目を閉じようとするハイジを、昂ったままであるルターは赦さなかった。え? と組み敷かれている自身の上のルターがキレイな笑みを浮かべる。
「オレは女じゃない。四人の子持ちだぞ。しかも、明日からは人探しの旅に行く。だから、このまま寝かせろよ。女のところにでもいって発散をして来たらどうだ。金はやる」
「僕も男とやりたいと、今まで思ってもいなかったが。なぁ、いいだろう?」
「いいだろうも何も、断る」
「上は嫌としか言わないが、下はどうかな。どれ」
身体が重く抵抗が出来ないことにハイジも舌打ちをする。されるがままになっているのは睡魔が勝ってしまい、頭が働かないからだ。させたいようにさせれば終わる。終わればどこかに行くだろう、と諦めて待つ方を選んだ訳だ。
(どうせ秒でこいつも終わる。犬に噛まれたと思えばいいだろう)
ぎゅっと目をハイジも瞑る。ルターの指先が至る箇所に触れるのも分かる。その指先が、行きついた先――
「っつ、止せ!」
ようやくハイジはルターに抵抗らしい抵抗をかました。彼を蹴飛ばしたはずだったが、ハイジからの抵抗予想をしていたルターは慣れた手つきで足首を掴むと、折り畳まれてしまい、あっという間にタオルで縛られてしまう。
「おい! 止めろと言っているのが聞こえないのか!?」
「なんだなんだ。ハイジはあいつに操を立てているつもりなのか」
「ぅ、るさい! うるさい! うるさい!」
「違うなら。じゃあ、いいよな」
つぷりとお湯で湿った最奥の孔にルターの指が挿入 れられた。一気に奥まで第三関節の付け根まで。ハイジの身体が大きく揺れる。押し黙って受け入れている様子に、ルターはさらにもう一本と指を増やしたところで、弱々しい口調のハイジが「も、ぃいかげんにしろよ」と怒りの声を漏らした。
「どうして欲しいか、言ったらどうなんだ」
「ゅび、を」
「指が? なんだって??」
「……っつ! っふぅうアう」
中に挿入れた指が縦横無尽と蠢かされる。しかも、信じられないことに二本の指にも凹凸があり、刺激と気持ちよさにハイジの股間も反応をして、先走りの蜜が流れ出ていた。
「指がどうかしたのか?」
「ぉうとつ、なんなんだ。それ、は」
「ああ。魔人の指にしているからな、眼だよ」
「め????」
「ああ。ほら、これだ」
縛っていた足を掴み支えていた手をハイジに見せた。夥しい数の眼。人外の手でもあった。そんなものが自身の孔の中で暴れているのか、とハイジもゆっくりと唾を飲み込む。
「舐めるか」と口許に手を差し出された。指先や全体の眼と目がかち合う。ハイジはゆっくりと口を開けて頬張った。
「噛まないでくれよ」
ルターの言葉を他所に、夢中と指を興奮して舐めた。しかし、あまりのくすぐったさにルターが口先から手を引いた。
「僕の舌にも、ほら、あんだけどな。眼なら」
ハイジの顔にルターが顔を寄せて舌を見せる。
その行為にハイジも「なら。下のにも、眼があるのか?」と聞く。
「なんだよ。ハイジ、お前は魔人のナニを舐めたいのか?」
失笑とルターがハイジに応えた。
そして、大きくそそり立った股間を魔人の茎に替えて見せる。人間のものとは明らかに異なる魔人の茎にハイジの喉が鳴る。
ワイズの茎しか視たことも、咥えたこともない。
興味なんかをもったこともない。男なら誰でもいいとか、好きとかではないからだ。なんなら異性にも興味が湧かない。だというのに、今のハイジ自身は何かがおかしいくらいに興奮をしていて、堪らなく――今すぐに孔に挿入れて奥を激しく突いて欲しかった。
孔に出し入れする指の強弱に合わすような使用に、ルターはワイズに嫉妬をした。ここまで慣らして、覚えさせて、蹂躙をし続けて放り捨てたのか、と。
「なぁ。なめて、いいものか? まじんの、ちんこってのは」
「人間には強い作用のある精液が出るんだけど、どうしたものかな」
「そぅなのか、なめることはでき、ないのか」
「ワイズのも舐めていたのか」
「ああ、言われていたからな」
ルターの敵はワイズ。
幼少期から青年期と、ワイズからするように強要されて、慣らされた行為のまま、同じようにしようとする彼の様子に、腸も煮えくり返る思いだった。
ルターはハイジの上から下りると横に降り、胡坐をかいた。勃起する茎がハイジの視界で輝く。ハイジも起き上がり、ルターの顔を視るよりも、聞くよりも先に、這いずって茎へ舌を這わせて無言で頬張った。
「っく。おい、ったく」
「む、ぅん、はぁ」
「がっつくなよ」
髪留めであるゴム紐解けた髪が、ハイジの顔を覆い隠し、どんな顔なのかも視えないが。一向に舐めるのを止めない様子に、理性もぶっ飛んでいるくらいに、性欲が溜まっていたのかとルターも憶測と押し黙って見入った。女だけでは埋まらなかったのかと。
(エロいな)
ルターはハイジの頭部を抑えて上下と乱暴に口を動かせ、孔を二本の指で蹂躙した。彼の思いもしない行為にハイジも息絶え絶えとした意識の中で、口腔内に魔人の精液が迸り、与えられた孔への刺激に、自身の茎も絶頂を迎え白濁とした精液がシーツに大量と吐き出された。
「っかっは! がは! ぉ、まえ! 喉の奥にっ」
「どうだ? 味は」
「ぁ、じ」
「そうだ。ワイズのより、どうだ?」
「そんなこと、どうでもいいな」
「どうでもよくなんかないさ。僕は真剣に聞いているんだ」
「どうでもいいんだよ。そんなことはな」
ハイジがルターの茎の上に跨る様子に「おいおいおい。ブランコ君は何をするつもりなのかな?」と口端を緩ませて聞く。彼がすることが分かっていて聞いている。あの堅物の彼が、こうも快楽に弱く甘くと、求めることは気分がいいが、そうなるように躾けられた結果ということが癪ではあったが、仕方がないと思うようにする。今は、まだと。彼は今も父親の虜だ。
「はやく、このヤバいちんこをいれてくれよ」
「耐えようのない男だな、まぁ、よくも今まで我慢したからよしとしようか」とハイジの腰を掴むと孔に押し当てて一気に突き刺した。
「ぁ、あぁア、ぉあぁあ、ンんん~~♡♡♡ ぃ、イいぃ♡♡♡♡」
衝撃にさらにハイジの茎からおしっこに似た液状で潮が噴き出た。止まることなく流れ続ける。無意識とハイジ自身が腰を揺らしてルターの茎を、自身のいい場所に当てている。玩具のような扱いをされていることに、ルターも不服と頬が大きく脹らませた。
ハイジを抱えて、そのままベッドに寝かせてルターも腰を大きく振った。ハイジの枷のない足もある足もタオルを解き、腰に巻きつかせた。
「ぉく、おくに♡♡」
「瞳孔開いてるな、そんなに気持ちがいいのか?」
「ぃ、ぃい♡♡」
「本当によく、いままで我慢が出来ていたな。淫乱なくせに」
見下ろしていたハイジの身体の異変に、ルターも躊躇をして腰も徐々に止まってしまう。
「ハイジ、お前の身体の、……その紋様は、一体、なんなんだ??」
「ぃいから♡♡ うごけぇ♡♡」
「ぃや、いやいやいや!」
真っ白く行為の熱に汗ばんだハイジの肌に、花の茎に近いものが浮かび上がり、かと思えば一斉に花が開花したかのように、ハイジから甘い匂いが溢れ出た。視えないのだが、辺り一面に花畑のような程に濃厚で香しい。幻覚に溺れて眩暈が起こる。
ルターが知る限り。間違いなければ《聖痕》ではないかと。父である神が愛した人間。聖人や聖女、聖騎士のみが血で継承する。開花は珍しく、聞き流し程度で神や兄姉妹弟たちから聞いた話しでは、開花した人物は――神の寵愛のもと、神になる資格を得る、人類の頂点である人王の器。人類を指揮するべく選ばれし、世界統治と人類統一する御子。
「ぅ、そ……だっろぉうぅうう!?」
「ぃいから♡♡ うごけぇ♡♡」
「ぃや、いやいやいや!」
組み敷いてしまった人間はとんでもない人物だったんだとルターは委縮してしまう。
「ぅ、そ……だっろぉうぅうう!?」
困惑し続けるルターを他所に、真っ白く赤く染まっていた肌が褐色と染まり替わって行く様子に、ルターは息を飲んだ。この展開は、ヤバいと涙目だ。
「だからナニを上書きする気だけど」
「上書きだぁ? ふざけるな」
ベッドに濡れた真っ裸のまま横たえられた、まではよかったのだが、そのまま目を閉じようとするハイジを、昂ったままであるルターは赦さなかった。え? と組み敷かれている自身の上のルターがキレイな笑みを浮かべる。
「オレは女じゃない。四人の子持ちだぞ。しかも、明日からは人探しの旅に行く。だから、このまま寝かせろよ。女のところにでもいって発散をして来たらどうだ。金はやる」
「僕も男とやりたいと、今まで思ってもいなかったが。なぁ、いいだろう?」
「いいだろうも何も、断る」
「上は嫌としか言わないが、下はどうかな。どれ」
身体が重く抵抗が出来ないことにハイジも舌打ちをする。されるがままになっているのは睡魔が勝ってしまい、頭が働かないからだ。させたいようにさせれば終わる。終わればどこかに行くだろう、と諦めて待つ方を選んだ訳だ。
(どうせ秒でこいつも終わる。犬に噛まれたと思えばいいだろう)
ぎゅっと目をハイジも瞑る。ルターの指先が至る箇所に触れるのも分かる。その指先が、行きついた先――
「っつ、止せ!」
ようやくハイジはルターに抵抗らしい抵抗をかました。彼を蹴飛ばしたはずだったが、ハイジからの抵抗予想をしていたルターは慣れた手つきで足首を掴むと、折り畳まれてしまい、あっという間にタオルで縛られてしまう。
「おい! 止めろと言っているのが聞こえないのか!?」
「なんだなんだ。ハイジはあいつに操を立てているつもりなのか」
「ぅ、るさい! うるさい! うるさい!」
「違うなら。じゃあ、いいよな」
つぷりとお湯で湿った最奥の孔にルターの指が
「どうして欲しいか、言ったらどうなんだ」
「ゅび、を」
「指が? なんだって??」
「……っつ! っふぅうアう」
中に挿入れた指が縦横無尽と蠢かされる。しかも、信じられないことに二本の指にも凹凸があり、刺激と気持ちよさにハイジの股間も反応をして、先走りの蜜が流れ出ていた。
「指がどうかしたのか?」
「ぉうとつ、なんなんだ。それ、は」
「ああ。魔人の指にしているからな、眼だよ」
「め????」
「ああ。ほら、これだ」
縛っていた足を掴み支えていた手をハイジに見せた。夥しい数の眼。人外の手でもあった。そんなものが自身の孔の中で暴れているのか、とハイジもゆっくりと唾を飲み込む。
「舐めるか」と口許に手を差し出された。指先や全体の眼と目がかち合う。ハイジはゆっくりと口を開けて頬張った。
「噛まないでくれよ」
ルターの言葉を他所に、夢中と指を興奮して舐めた。しかし、あまりのくすぐったさにルターが口先から手を引いた。
「僕の舌にも、ほら、あんだけどな。眼なら」
ハイジの顔にルターが顔を寄せて舌を見せる。
その行為にハイジも「なら。下のにも、眼があるのか?」と聞く。
「なんだよ。ハイジ、お前は魔人のナニを舐めたいのか?」
失笑とルターがハイジに応えた。
そして、大きくそそり立った股間を魔人の茎に替えて見せる。人間のものとは明らかに異なる魔人の茎にハイジの喉が鳴る。
ワイズの茎しか視たことも、咥えたこともない。
興味なんかをもったこともない。男なら誰でもいいとか、好きとかではないからだ。なんなら異性にも興味が湧かない。だというのに、今のハイジ自身は何かがおかしいくらいに興奮をしていて、堪らなく――今すぐに孔に挿入れて奥を激しく突いて欲しかった。
孔に出し入れする指の強弱に合わすような使用に、ルターはワイズに嫉妬をした。ここまで慣らして、覚えさせて、蹂躙をし続けて放り捨てたのか、と。
「なぁ。なめて、いいものか? まじんの、ちんこってのは」
「人間には強い作用のある精液が出るんだけど、どうしたものかな」
「そぅなのか、なめることはでき、ないのか」
「ワイズのも舐めていたのか」
「ああ、言われていたからな」
ルターの敵はワイズ。
幼少期から青年期と、ワイズからするように強要されて、慣らされた行為のまま、同じようにしようとする彼の様子に、腸も煮えくり返る思いだった。
ルターはハイジの上から下りると横に降り、胡坐をかいた。勃起する茎がハイジの視界で輝く。ハイジも起き上がり、ルターの顔を視るよりも、聞くよりも先に、這いずって茎へ舌を這わせて無言で頬張った。
「っく。おい、ったく」
「む、ぅん、はぁ」
「がっつくなよ」
髪留めであるゴム紐解けた髪が、ハイジの顔を覆い隠し、どんな顔なのかも視えないが。一向に舐めるのを止めない様子に、理性もぶっ飛んでいるくらいに、性欲が溜まっていたのかとルターも憶測と押し黙って見入った。女だけでは埋まらなかったのかと。
(エロいな)
ルターはハイジの頭部を抑えて上下と乱暴に口を動かせ、孔を二本の指で蹂躙した。彼の思いもしない行為にハイジも息絶え絶えとした意識の中で、口腔内に魔人の精液が迸り、与えられた孔への刺激に、自身の茎も絶頂を迎え白濁とした精液がシーツに大量と吐き出された。
「っかっは! がは! ぉ、まえ! 喉の奥にっ」
「どうだ? 味は」
「ぁ、じ」
「そうだ。ワイズのより、どうだ?」
「そんなこと、どうでもいいな」
「どうでもよくなんかないさ。僕は真剣に聞いているんだ」
「どうでもいいんだよ。そんなことはな」
ハイジがルターの茎の上に跨る様子に「おいおいおい。ブランコ君は何をするつもりなのかな?」と口端を緩ませて聞く。彼がすることが分かっていて聞いている。あの堅物の彼が、こうも快楽に弱く甘くと、求めることは気分がいいが、そうなるように躾けられた結果ということが癪ではあったが、仕方がないと思うようにする。今は、まだと。彼は今も父親の虜だ。
「はやく、このヤバいちんこをいれてくれよ」
「耐えようのない男だな、まぁ、よくも今まで我慢したからよしとしようか」とハイジの腰を掴むと孔に押し当てて一気に突き刺した。
「ぁ、あぁア、ぉあぁあ、ンんん~~♡♡♡ ぃ、イいぃ♡♡♡♡」
衝撃にさらにハイジの茎からおしっこに似た液状で潮が噴き出た。止まることなく流れ続ける。無意識とハイジ自身が腰を揺らしてルターの茎を、自身のいい場所に当てている。玩具のような扱いをされていることに、ルターも不服と頬が大きく脹らませた。
ハイジを抱えて、そのままベッドに寝かせてルターも腰を大きく振った。ハイジの枷のない足もある足もタオルを解き、腰に巻きつかせた。
「ぉく、おくに♡♡」
「瞳孔開いてるな、そんなに気持ちがいいのか?」
「ぃ、ぃい♡♡」
「本当によく、いままで我慢が出来ていたな。淫乱なくせに」
見下ろしていたハイジの身体の異変に、ルターも躊躇をして腰も徐々に止まってしまう。
「ハイジ、お前の身体の、……その紋様は、一体、なんなんだ??」
「ぃいから♡♡ うごけぇ♡♡」
「ぃや、いやいやいや!」
真っ白く行為の熱に汗ばんだハイジの肌に、花の茎に近いものが浮かび上がり、かと思えば一斉に花が開花したかのように、ハイジから甘い匂いが溢れ出た。視えないのだが、辺り一面に花畑のような程に濃厚で香しい。幻覚に溺れて眩暈が起こる。
ルターが知る限り。間違いなければ《聖痕》ではないかと。父である神が愛した人間。聖人や聖女、聖騎士のみが血で継承する。開花は珍しく、聞き流し程度で神や兄姉妹弟たちから聞いた話しでは、開花した人物は――神の寵愛のもと、神になる資格を得る、人類の頂点である人王の器。人類を指揮するべく選ばれし、世界統治と人類統一する御子。
「ぅ、そ……だっろぉうぅうう!?」
「ぃいから♡♡ うごけぇ♡♡」
「ぃや、いやいやいや!」
組み敷いてしまった人間はとんでもない人物だったんだとルターは委縮してしまう。
「ぅ、そ……だっろぉうぅうう!?」
困惑し続けるルターを他所に、真っ白く赤く染まっていた肌が褐色と染まり替わって行く様子に、ルターは息を飲んだ。この展開は、ヤバいと涙目だ。