第1夜
文字数 1,810文字
俺は声を大にして言わずにはいられない。
いい歳して制服着て母校に現れたりしてんじゃねえよ!
それは俺たち在校生だけに許される特権だろ。いい加減、自分らの行いがどんだけ変態じみているかってことに気付かねえのかよ。
座光寺君を痛めつけていた間、背後に忍び寄った彼の婢 ──彼女の本名は「ミリヤ・サルーナジット」という──が、宝剣で僕の心臓 を鎧ごと貫いた。不意を突かれ気が動転していた僕は、僕の背から剣を引き抜いて逃れようとする彼女を、後ろから斬りつけた。
彼にとって、常日頃から卑しい名で呼んでいた自分の式神でしかない。彼女がどんな女性かほとんど知らない……というよりことさら無視してきた。だが僕は知っている。
何よりも彼女自身の剣をこの胸を受けたこと、それだけで僕には一日の長があるのだ。
そして怒り狂うミリヤに、破壊神としての自分を取り戻した彼女に、もう一度この胸を剣で貫いてほしい。今度は正面から!
彼女の瞳の中で僕は、歓喜のうちに君らを祝福して滅びていってあげる! もし実現したらどんなにか僕は幸せだろう!