文字数 7,585文字

 <5>

 ――ごくり。
 今年もやって来ました。わたしがここ5年間ほど、毎年勇気を振り絞っているときが。
 相手は音楽の先生よりももっともっと怖くない存在。でも、心の遠さはあまり変わらないかもしれません。
 そう、その相手は、わたしのお母さんです。
 お母さんはスマートフォンを片手に、わたしが両手で持っているホワイトボードをじっと見つめています。
 わたしが丁寧に書いたその文章、一応ちゃんと呼んだお母さんは目をそらしてこう言いました。
「だめ。あんたが行ったらどう考えても迷惑になるでしょ」
 ……今年も、だめだったか。
 内心はかなりしゅんとしていたわたしですが、それを見て取られないように、数ミリだけのがっかりを顔に浮かべてうなずきました。
 家でのわたしの『声』となっている、百均のホワイトボード。それにはこう書きました。
〝夏休み、姫花の家でお泊り行ってもいいですか? 姫花のお母さんは良いって言ってるらしい〟
 わたしはこれを、小学生になってから毎年繰り返しています。
 最初はわたしだって迷惑だと思って、お母さんに聞く前に断ろうとしていました。どう考えても迷惑。だってわたしは喋ることができないから。
 一般に言う、障がい児というやつだ。と、大人たちは言っていました。
 でもその考えは案外すぐにひっくり返ることになります。それは小学1年生の8月、姫花のお母さんに会ったときです。
『え? お泊り? えーおいでおいで!! 大歓迎よ! 苦手な食べ物はある? あ、その前に夏俐ちゃんのお母さんにも連絡しないとね。電話番号とか今度教えてもらえるかしら? それかそちらが良かったら直接会いに行くけど!』
 姫花の『お泊りしていい!?』を聞くやいなや、マシンガンのようにそうまくし立てた山﨑家の母。あの笑顔にまったくの嘘が混ざっていなくて、姫花と同レベルで喜んでいることが伝わってきました。
 迷惑じゃない、むしろにぎやかになって喜んでもらえるならわたしだって行きたいです。すごく。でも我が家の許可が出ないので、まだおあずけにするしかありません。
 もしかしたら、中学生になったら許してもらえるかなぁ。
 わたしはまだまだ諦めていません、来年も、来年だめだったらその次も挑戦します。それを繰り返すうちに、親の許可が要らない歳になってしまうかもしれません。まあ、それはそれでいいでしょう。
 だって、姫花とはいくつになっても友だちでしょうから。
 そんなことを考えながら、文字を消したホワイトボードを置いてピアノの前に座ります。重たい蓋を持ち上げると、白黒のステージが現れます。暖かい色合いの白と漆黒。押し込めばとーんと音が鳴る。
 今は妹も習い事に行っているのでいません。文句を言う人はいない、ふふふ。
 練習曲の冊子を開いて、今週の宿題である青丸がついた番号の曲を見つめます。冊子に()()がついてしまっているので一発で開けました。
 勝手に閉じてしまわないように他の楽譜でページを止めて、いざ鍵盤に両手をはわせます。
 楽しい。
 ――音が歩く、進む、回る、流れる、跳ねる、沈む、そしてまた歩く。
 機械的な動き。それでも工夫すれば、波や風のようなふくよかさを出すこともできる。
 どんな単純な練習曲だろうと、いや、練習曲だからこそ、最後の1音の指を鍵盤から離すまで意識して。
 そしてわたしの周りが無音になり、はー、っと音にならないため息をつきました。
 やっぱり、楽しい。
 変な義務感で始めて続けていたピアノが、楽しい。
 ピアノを前にして集中してこの音をなぞっていると、悪いものや嫌なことがあまり浮かばなくなります。
 ちょっと前までは嫌でもあの音楽の先生の言葉や顔が浮かんでいたのに。
 ほら、今だって、ピアノを弾き終わってやっとこんなことが脳内に出てきました。弾いている間は、先生や音楽発表会の存在すら忘れてしまったような、そもそも最初から存在なんてしなかった世界にいるような気もします。
 負の方向に振れるものがわたしから遠のく。しかし、だからといって良いものや綺麗なことが無数に浮かんでくる、というわけでもないのです。
 すべてがどうでもよくなります。目的のはずの伴奏でさえ、どうでもいい。別に伴奏なんてできなくてもいい。ただこうやって拙くても音を紡いでいけるなら、それだけでいい。
 気がつくと、家にお母さんもいませんでした。妹の迎えにでも行ったのでしょうか。
 ま、どうでもいっか。もっと細かいところを弾こう。ひと通り終わったら、もう一度頭から通して弾こう。そしてそれが終わったら、今度は練習用じゃないほうの曲だ。今の曲は――。
 今まで、日々の中で楽しいことと言ったら姫花と遊ぶことと、あとは読書くらいでした。夏休みなんて、宿題が終わったら本当にずっと本を読んでいるだけでした。
 でも今は、違います。景色なんて見えないし、風なんて吹くわけがないけれど、わたしにはピアノがある。
 夕灯さんと比べたら、わたしのなんてただの音。でもただの音でもいい。だって楽しいから。
 その日、満足してピアノの蓋をそっと閉めた頃には、空が橙色に染まり始めていました。
 
 
 今年も、なんてことないわたしの夏休みが終わりました。
 ピアノがあっただけ今までより彩り豊かな約1ヶ月でしたが、やっぱり基本的にはいつも通りでした。
 宿題のほとんどは前半でちゃっちゃと終わらせて、特に面白みもない自由研究を完成させて、お盆には隣の県に住んでいる祖父母の家に帰省する。その後は絵日記とかをやって、たいてい行く先で夫婦喧嘩が始まる、毎年恒例1泊2日の家族旅行へ出かけて。
 その他は本当に読書かピアノを弾いているかでした。あとは、何回かだけ姫花と遊んだっけ。
 休み、となればいつでも遊んでくれそうな姫花ですが、実際はそうにもいかないのです。彼女はわたしと違って友だちが多いので。
 それに、夏休みはダンスの習い事の本番があって忙しいみたいだし。あと、そういえば怜歩さん家と家族ぐるみでキャンプに行かされるとか言ってたなぁ。
 行かされる、と言っていたのは照れ隠しみたいなものでしょう。姫花と怜歩さんは家族どうしも本当に仲が良いみたいですし、内心は絶対楽しみにしてたはずです。行かされる、というのは、本来は我が家の家族旅行みたいなもののことを言うのです。
 そうだ、今日学校でそのキャンプのことを訊いてみよう。
「そういえば、あのキャンプのことなんだけどさぁ」
「……!」
「あのね、まっじで地獄だったのっ! あのチョコレイトやろうが虫を手づかみで目の前に見せつけてくるしさ、大体もう5年生なんだし、あいつと同じテントで寝るのやだよっ! きょうだいでもないのにっ」
 尋ねようと思っていた矢先、自分からすごい勢いでまくしたてた姫花。ぶーっと唇をとがらせた彼女を見て、わたしはおかしくて思わず笑ってしまいます。
 わたしは知っています。姫花は、本当に嫌なことを話すときはすっごく口数が減るのです。それに、嫌なことを自分から口にしたりなんて絶対にしない。
 へえぇ、楽しかったんだなぁ、と思いながらにやにやしていると、
 「次に虫見せてきたら絶対チョコチップにしてやる!」
 と、姫花は教室のあっち側にいる怜歩さんを睨んで言い放っていました。
 姫花はひとりっ子ですし、怜歩さんには現在高校生のお兄さんがいるけど、中学生のときから遠くの学校の寮に入っているので家にはいません。
 そして親どうしも仲良しであるふたりは、まさしくきょうだいのように育ってきたのでしょう。
「ほんとにさー、勘弁してほしいと夏俐も思わない? 別にあんなチョコと仲良くしたくもないのに」
 わたしは今も適当にソウダネーという顔をしていますが、心の中ではいつもこんな感じです。
 そっかぁ、もうきょうだいみたいに仲良いとか言われるのが嫌なお年頃なんだろうなぁ。友だちとか親友っていう関係じゃ嫌なんだろうなぁ。きっと。
 姫花の想いなんてわりと見え見えです。怜歩さんのほうは……確実とは言えないけれど。
 それでも、隣の家に住む幼なじみどうしなんて、すごく良いじゃないですか。
 この手の物語はたくさん読んできましたが、わたしはどれも大好きです。それをリアルでこんなにも間近で観察できるだなんて。
 情報を全部好きな作家さんに渡して物語にしてもらいたい、とも思いますが、親友のプライバシーのためにそれはやめておきます。
「あれ? 怜歩のやつどこ行った?」
 姫花の声でさっき彼がいたほうを見ましたが、そこには他の子しかいません。
 どうしたんだろう、と思いつつも、わたしにはなんとなくこの後の展開を想像できてしまいました。
 案の定と言いますか、背後から男子の声で「夏俐さーん」と呼びかけられます。
 わたしに用がある男子なんて、隣の席の夕灯さん以外にはこの人しか――。
「姫花と何話してたの?」
「はあっ、ちょっと、あたしの夏俐に話しかけないでよ!」
「うっさいなーこのゴリラ、おれは夏俐さんと話してんだけどっ」
「こっの、そっちこそうるさいわチョコレイト!」
 話しかけてきたのは、予想通りの怜歩さん。実は夏休みが始まるちょっと前くらいから、なにかと彼に絡まれることが増えたのです。
 姫花のご近所さんで幼なじみの人、と、姫花と出会った頃からずっと怜歩さんを知ってはいました。しかし彼は今までずっと姫花と同じクラス、つまりわたしとは一度も一緒になったことがありません。当然、関わることはありませんでした。
 でも、怜歩さんもわたしと同じく、姫花の親友としてわたしのことを知ってはいたでしょう。わたしと彼は、姫花をはさんでそういう関係でした。
 そんなわたしと同じクラスになったことで、興味がわいたのでしょうか。
 ……ん、いや、違うなこれは。
 「夏俐さん、この姫花ゴリラの被害者同盟組もうよ」
 これはきっと、わたしに絡んだときの姫花の反応を面白がっているんだ。
「はあー!? ゴリラじゃないし夏俐は被害者なんかじゃないし!」
 姫花のこと大好き同盟なら組むよーと心の中で思いながら、別にそれを伝えることはなくニコニコとその場を見ています。
 伝えない理由は単純です。わたしなんかがこの可愛いふたりの関係を変えちゃったら面白くないから。
「キャンプのときでっかい岩蹴ってぶっ飛ばしてたじゃん、ゴリラ女め。あの怪力で抱きつかれる夏俐さんがかわいそうで仕方ねーわ〜」
「はああああっ!?」
「夏俐さん信じられる? こいつ虫ごときを怖がるゴリラなんだぜ?」
「……いい加減にしなさいよ……」
 苦笑いしながら見ると、顔を真っ赤にした姫花の眉がピクピク動いています。
 あー、これはまずい。カッコ笑。
「夏俐さんはか弱いんだから、いつか骨折でもさせて泣かせんなよ〜」
「はあっ、そんなに馬鹿力じゃないし! っていうか、夏俐を馬鹿にすんな!!」
 姫花の飛ばしたこぶしを怜歩さんはひらりとかわして、「やっべ」と笑いながら小走りで逃げ始めます。
 姫花のげんこつの威力は子猫の猫パンチくらいでしょうか。本気で殴ったりなんてしないし、ゴリラだなんて失礼の極みです。
 あ、でも、全力で殴ったらあるいは。
「このー!! 待ちなさい!」
 姫花も教室内を突っ走って追いかけます。周りにいた子たちは、幼なじみコンビが繰り広げる茶番にケラケラと笑っていました。
 みんながおかしそうに笑っているのも、ふたりが愛されているからです。
 席の間をヒョイヒョイと逃げ回る怜歩さんを捕まえるのはなかなか難しいことです。ニヤニヤしながら目で追っていると、彼は突然わたしがいる近くに戻ってきて、ある席の陰にさっと隠れました。
 今までぼーっとしていた席の主は、びくっと驚いて怜歩さんを見下ろします。
「夕灯、しーっ! あいつが来るから!」
「……え、ええ?」
 困惑した夕灯さん、悪い笑みを浮かべる怜歩さん、その少し離れた横で、困ったまま立っているわたし。
 そういえば、怜歩さんって夕灯さんと仲良いのかな。呼び捨てで呼んでたけど。
 姫花はというと、素早い動きの怜歩さんを見失って、教室の向こうでキョロキョロしています。
「あっ、いた!」
 そう言って、姫花はすごい剣幕でこちらに駆け寄りました。
「おのれ、チョコチップにしてやる!」
「できるもんならやってみろ〜」
 と言いつつも、怜歩さんはこれ以上逃げようとはしません。夕灯さんを盾にしています。
「はは……」
「またそんなことして、夕灯さんを巻き込まないでよねっ」
「おまえが追いかけ始めたのが悪いんだろー」
「あんたがあんなこと言うからでしょっ!」
 怜歩さんも悪い人です。単純な姫花をわざとキレさせて、逃げるのを楽しんだあげく最後は捕まる。
 まったく、姫花にたくさんかまってもらう方法を、ケンカすること以外に知らないのでしょうか。幼なじみのくせに。
 ま、面白いからいいか。
 これからは姫花の報復が始まるなー、と思っていたけれど、今回は違いました。
 姫花はむーっと頬をふくらませると小さく息をはいて、なにも言わず、腰に当てていた両手をすとんと下ろしてしまったのです。
 あれ、どうしたんだろう。
「もう黙っててよねっ」
「………………」
 ……あーあ、怜歩さんは言いすぎたな。本気ですねちゃった。
 さすがにあんなにゴリラを連呼するのはまずかったですね。いくら怜歩さんでも、いや、怜歩さんだからこそ。
 焦り顔の怜歩さんとむすっとした姫花の顔を、夕灯さんがオロオロと交互に見つめています。何度かこの状況に遭遇したことのあるわたしは、彼がわたしを見たときにちょっとだけ笑いかけました。ほっとけばなんとかなる、の意味を込めて。
 こういう場合、怜歩さんは無理やりにでも姫花の機嫌を良くしようと動きます。変顔したり、面白いエピソードを話したり。
 姫花のことを褒めれば一発で効くのになぁ、ともどかしくはなるけど伝えません。いつか怜歩さんが自分で気づいてほしいので。
 一生気づかないことはないでしょう、多分。……多分。
 わたしは気まずそうな夕灯さんのそばに寄って、肩に触れて気を引きます。そして笑顔で『ごめんね』と口パクすると、彼は苦笑いを返してくれました。代わりに謝ったのは、あのふたりは謝るのを忘れるだろうなと思ったから。
 最近は夕灯さんにも口パクで通用することが増えてきたので嬉しいです。今まで、姫花以外の人にはどんな短い言葉でも書かないと伝わらなかったので。
 夕灯さんは自分から話すことはほとんどありません。それでも、筆談ならよく会話してくれます。5歳のときからピアノを習っていることや、わたしと同じで妹がいること。色々と知ってきました。
 ふと、視線を感じてそちらを向きます。
 姫花の機嫌とりに忙しいはずの怜歩さんが、まっすぐわたしを、というか、わたしと夕灯さんを見ていました。
「………………………………」
 な、なにか嫌な予感がする……。
 すると、怜歩さんがニヤリと笑います。思わず夕灯さんと顔を見合わせると、彼はこっちを向いて話しはじめました。
「いやぁ、夕灯もかわいそうだよな。夏俐さんをいっつも姫花に取られるし。どんまーい」
「……え、え?」
 こ、この人、姫花にまだ油を注ぐ気なのか!?
「は? なにがどんまいなの?」
「姫花気づいてないのか? 最近、夕灯と夏俐さんって仲良いじゃん。それなのにおまえが常にくっついてるから進展しねーんだよ」
 仲良い。進展。
 ……進展?
 …………は、は、はい!?
 いや、落ち着け。冷静になろう。そうさ、文字だけ見ればいい。わたしの書いた言葉のように単なる文字であれば、これはそう、友だちになりかけているのに姫花という親友がいつもいるから進展しない、ということだ。
 いやいやでも、でも。怜歩さんのあの目、あのニヤつき、あの声。
「…………え?」
 ぽかんとした姫花が、怜歩さんの服の裾を引っ張ってすすすっと壁に寄ります。
「ちょい待ってちょい待って! あたしなんも聞いてないんだけど、そーゆーことなの!?」
「いや本人に聞いたわけじゃねーけど、だって見ろよあのふたり! もうそーゆーことでいんじゃね?」
「きゃ――!」
 ちょい待てはこっちのセリフだ。まあ言えないんだけどっ。
 ていうか思いっきり聞こえてるし!
 もう一度夕灯さんと顔を見合わせます。お互いちょっとだけ赤くなってて、すぐに目をそらしてしまいました。
 まったく怜歩さんめ……。
 第一、わたしと夕灯さんの間にそーゆー矢印は存在しません。友だちと呼べる人がひとりしかいないようなわたしに、好きな人なんでできるはずもありませんし。
 夕灯さんだって、そーゆーことに興味があるようには見えません。わたしも興味はありませんっ。あのふたりじゃないんだし。
 姫花たちのごたごたがなんとこっちに飛び火してしまいました。どうしてくれるんだ。
 さっきまでむすっと不機嫌だった姫花は、怜歩さんの隣で跳びはねながら笑っています。
 ……まあ、姫花の機嫌をなおしたい怜歩さんの作戦は、大成功だな。
 キャッキャと盛り上がる幼なじみコンビを横目に、ちょっとだけ気まずいこの空気にたたずむ夕灯さんをもう一度つつきます。
 今度こそ渾身の『ごめんね』口パクをすると、さっきよりも苦みの増した苦笑いを返してくれました。
 でも、そーゆー感情を抱いていないというのは、お互いにわかりきっていたみたいです。
 気まずさが持続しなくて助かりました。実は、その後は今までより余計仲良くなれたんです。あ、もちろん、そーゆー意味は一切ない仲の良さです!
 それから、夕灯さんと怜歩さんも最近はとても仲が良いみたいで、昼休みに一緒に外で遊んでいるところも見かけました。夏休み前までは、夕灯さんはひとりで教室にいることが多かったのに。
 夕灯さんが姫花の幼なじみである怜歩さんと仲良くなったことにより、わたしたちの間に姫花と怜歩さん(あのふたり)被害者同盟的な繋がりを感じて、心の壁が薄くなったような気がしました。
 あ、いえ、決して自分が被害者だとは思っていないんですよ! むしろ姫花たちにはお世話になってばっかりです。でも、まあ、言い返したりしないわたしたちは賑やかなあのふたりにああいう飛び火をくらうこともあるので、そういうことです。
 そうだ。加えて、あのふたり見守り隊的な結束を感じているのもある。
 思わず笑っちゃって、新学期に初めて希望を抱いた4月を思い出しました。希望は今も続いています。2学期早々楽しいこと続きです。
 このままずっと楽しい学校生活が続けばいい。
 そう願ったわたしですが、あることを思い出してしまって、無意識にちょっとだけ表情が翳りました。
 

 〝でもきっと大丈夫。大丈夫。……自信は、ないけれど。〟
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