第16話

文字数 619文字

ガチャ
音のした方が玄関だ。
3人うん、と頷き一目散。
クリストは、驚き戸惑う。
何故気付いたんだい?
猿が飛びかかり肩を、猫がスネを噛んだ。
クリストは傷つかない様だったが、たじろいだ。
その隙に僕が玄関を開ける。
そとの光。
走れ!
3人、忘れていたおひさまの下へ飛び出した。
クリストのチャンネルのコメント民は、みんな神様だった。
それと、架空や伝説みたいな聖人。
閻魔大王やら、悪魔や鬼と呼ばれるもの、キューピッドとか妖精の類。
部屋を出たらオフィス街。
そいつらがいそいそ背広来て、駅へ向かうやら車やバイク、自転車で通勤している。
今は朝か。
イエスの奴め、朝帰りなんて。
神様たちも、人間みたいにスマホ片手に押し合い圧し合い。
顔を顰め、色目も使い。
走る僕ら。
嘲笑。
スマホ構えて、
あら鳩さん。
テナシザルだ!
女の神様、きゃっ、と指を開いた手のひら目にあて、やっぱり粗末なおチンポね。
ああ、聞くな。
きみたち。
もう、良いんだ。
あいつらだって、十分変だ。
クリストのあの長髪に痩せぎす。
アマテラスのおたふくおデブ。
シャカのパンチパーマとホクロだって。
僕らと何も違わない。
違わせたいのは、あいつらだ。
僕らはただ、みんなと同じになりたかっただけ。
だから、
ぷるるる…
キーキー
もう、かれらの言葉はわからなかった。
けど、なんとなくわかる。
僕の言葉も通じてないだろう。
でも、きっとわかってる。
僕らはおんなじ。
この3人だけは。
それで、十分だ。

走れ、走れ、走れ!

笑っていた。
猫も猿も、僕も。
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