3_宇宙の戦士
文字数 1,098文字
ガッパッパァ!
逃げても無駄だぜぇ!
走っても走っても河原から抜け出せない。
きっと空間が湾曲してるのだ、とナナはすぐに気付いた。
しかし分かっていても他に足掻く方法などないのだ。
いい感じに仕上がったな。
ナマチュウの芳醇な汗の香り……辛抱たまらん!!
尻子玉をよこせぇ!!
思わずお国言葉が飛び出すナナ。
待つブヒィ!
ガッパァ!?
突然割って入った右ストレートパンチが未確認生物を吹っ飛ばす。
おいおい、エロガッパ。
てめぇが商品食っちまってどうするよ?
そいつぁ、モンキーな考えってやつだぜ。
ハゲたついでにボケちまったか?
新たに猿顔と豚顔の未確認生物が現れた。
間違いない、こいつら宇宙人だ。
ナナは確信した。
これは中々の上物。
ロリコ・オーン星で高く売れそうだぁ。
ブッヒッヒッヒ!
よし、サンプル映像撮るぞ。
ほぉら、俺のバナナを食らいやがれ……
ゆっくりバナナの皮を剥き、ナナの口に押し当てる猿顔の宇宙人。
ウッキッキ!
そうがっつくなよ。
おねだりしてもいいんだぜ?
豚、しっかり撮れ!!
ブヒブヒィ!
何っ!?
湾曲空間の歪みから隣の部屋の青年が現れる。
ちぃっ、ギャラクティガードの番犬か!
おい、エロガッパ。いつまで寝てやがる!
ずらかるぞ!
ヅラじゃねぇ!
そう、ゼロ吉は宇宙戦士だったのだ!
しかしポーズを取っている間に密猟者達はワープゲートを開いていた。
あばよ、マヌケな保護官!
これでも食らっとけ!!
猿顔の密猟者が黄色い塊をゼロ吉に投げつける。
瞬時にスキャン結果がバイザーに表示される。
背部ブースターが展開し、瞬時に対象物の落下点に駆け寄る。
そして冷たい視線を送るナナの目の前で――ゼロは盛大に滑って転んだ!
密猟者達はナナを連れて逃亡に成功した。