4_密猟者と幼女

文字数 1,167文字

う~ん、ここは……
うぇ~ん、お家に帰りたいよぉ~!

ナナが気がつくと、そこは地球人女児達が閉じ込められた密室だった。


窓からさっきの三人組の宇宙人ともう一人、リーダー格らしきハゲの宇宙人が覗いている。

ホッホッホ。

ナマチュウ1匹とナマショウ4匹も収穫出来るとは。


特にあのリボンのナマチュウはポイント高いですねぇ。

ボーナスに期待してもいいですよ。

やったブヒィ!!
あざーっす! ザンソーさん!
リボンのナマチュウ?

周りを見回すナナ。


自分以外は小学生のようだ。

リボンをつけてる娘は居ない。ツインテールを縛ってる自分以外は。

……私は中学生じゃないっ!


高校生よっ!!

おや、ツルペタナマコウでしたか。

活きもいいですし、きっと尻子玉も高く売れますよ。


宇宙三大珍味のひとつ、その中で極上ともなると国すら動きます。

ガッパッパァ!


摘出は俺にやらせてください!

尻の穴から手ぇ突っ込んで、奥歯ガタガタ言わせてやるぜぇ!

再び全身に蕁麻疹を発症させるナナ。
何なの、こいつら。


キモ……

もうすぐワープに入る。

それまで俺のバナナでもしゃぶってな!

餌の投入口からバナナが放り込まれる。
わぁい、バナナだぁ!
女の子達はお腹が減ってたのか、一斉にバナナに群がった。
ウッキャッキャッキャ!


幼女共が俺のバナナを貪り食う……

いい絵だぜ!!

私は……餌付けなんかされないわよっ!

ウキキッ! 強がりはよせ!


お前はもう俺様のバナナの虜だ。

いつまで我慢できるかな?

そう吐き捨てると、宇宙人達は消えていった。
ほんと宇宙人は揃いも揃って、意味分かんない!!

お姉ちゃん、お腹空いてるからイライラしてるの?


はい、半分こ!

あ、ありがと。


うぅ……美味しいのが余計腹立つ……。

お待たせしました、ナナさん
密室の壁に突然ガイナーの顔が現れる。

ブーッ!?


どこから生えてくんのよっ!

こんなこともあろうかと私のコミュニケーション端末の一部をナナさんの身体の中に忍ばせておきました!


全身を構成するほどのリソースが足りないのでこんな姿ですいません。

でも生首のまま宙に浮いてるよりはいいでしょう?

わぁ~ん、お化けぇ!!

どっちにろホラー極まりないわよっ!


子供たち怯えてるでしょ!

では小道具に変身します。
そう告げるとガイナーの頭部がぐにゃりと溶け、ナナの手に魔法のステッキとなって再構成される。

『はい、準備OKです。


それではどうぞ』

魔法少女マジカルナナ!

貴方のハートに届け、アブダクション♪

ぴかー!


ホログラムで派手な照明演出が加わる。

わぁ~い♪
って、何させっとぉ!?
『ノリノリじゃないですか。


似合ってますよ♪』

もう、あんた達一体何なのよっ!?

『惑星環境保護官ですよ。


私はゼロの半身、超次元隠密潜行艦ガイナー。

外宇宙の干渉から地球環境を保護、監視するのが任務です。


それでは良い子の皆さん、マジカルナナに着いて来てくださいね♪』

はぁ~い♪
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登場人物紹介

天乃川ナナ


都会暮らしに憧れ、叔母が管理人を務めるアパートに越してきた高校一年生。

ご近所トラブルに頭を悩ませている。

宇宙野(うつの)ゼロ吉


203号室に住んでいる訳ありの外国人(?)

宇宙野(うつの)ガイナ


203号室に住んでいるゼロ吉の妹(?)

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