5_ギガンティックが止まらない

文字数 1,194文字

ザンソーさん!


前方から未確認の船が!

巨大な宇宙船が密猟者達の行く手を阻むようにワープアウトする。

その頂点にはコンバットスーツに身を包むゼロ吉の姿があった。

くそっ、なぜこの位置が!?

密猟者に告げる。

貴様らは惑星環境保護法第97条38項、及び43項に違反している。

無駄な抵抗はせず、速やかに投降せよ!


従わなければ……太陽に代わってお仕置きだ!

こっちは人質が居るのと同然。手出し出来るものか!


対宇宙怪獣緊急格闘モード!

やぁぁぁぁっておしまいっ!!

アイサイサー!!

密猟者の宇宙船が戦闘モードに変形する。

その間、10分強!

ウッキャッキャッキャ!


このシャカシャカーンは、惑星級宇宙怪獣との戦闘用に設計された軍用艦の中古品!

変形完了まで見届けたのが運の尽きだったな!


一発で昇天させてやるわっ!!

『限定B級状況下において、ギガンティックフォームの使用許可が下りました』

よし、こちらもいくぞ。


トランスフォーメーション!

ガッパッパァ!


させるわけねぇだろ!!

ポチッとな。

超巨大人型戦闘兵器、シャカシャカーンのフィンガーミサイルがゼロ吉の宇宙船を襲う!

……あれ?


後方からミサイル群が飛んで来るブヒィ!
何ですって!?








きゃああああ!

密猟者のアジトが激しく揺れる。

『大丈夫ですよ。

ここには直接ミサイル飛んで来ないようにしてますから』

ミサイル?


外で何やってんの!?

『見たいですか? どうぞ』

ホログラムスクリーンが展開し、外の戦闘状況が映し出される。
『こっちのロボットが私達が居るところで、こっちの宇宙船が私の本体です』
すごーい、映画みたーい!
『ナナさんが蕁麻疹を発症した時に放出される特殊な脳量子波を追って来たんですよ。


もちろんゼロも一緒です』

私のことを毒電波発信器みたいに言うなっ!








ギャラクティガードの援軍ですか!?

いえ、敵を攻撃したと思ったら自分達を攻撃してた……


何を言ってるのか分からないと思いますが自分も何を言ってるのか……

コントロールをよこしなさい!


全砲門発射です!!

え、それは死ぬ感じ……
シャカシャカーンが発射したミサイルやビームは全て宇宙船ガイナーの前で消え、多方面からシャカシャカーン自身に向けてワープアウトした。


――ドドォーン!


アラートが鳴り響くシャカシャカーンの司令塔。

その間にガイナーは人型の巨大ロボットに変形を完了していた。

『ギガンティックフォーム、ゼロディガイナー!!』
わぁ! パチパチパチ!
観戦していた女子児童達の間で歓声が起こる。

『説明しましょう。


ギガンティックフォームとは私とゼロが一体となった惑星破壊級戦闘モードなのです!』

いや、壊したらダメじゃん……

覚えておくことだな。

地球のルールでは……


正義が勝つ!

巨大な銃口をシャカシャカーンに向けるゼロディガイナー。
いやいやいや!


私達も居るのよっ!?

正義執行! フェイズキャノン!!
巨大な光の帯がシャカシャカーンの上半身を乗組員ごと消失させた。
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登場人物紹介

天乃川ナナ


都会暮らしに憧れ、叔母が管理人を務めるアパートに越してきた高校一年生。

ご近所トラブルに頭を悩ませている。

宇宙野(うつの)ゼロ吉


203号室に住んでいる訳ありの外国人(?)

宇宙野(うつの)ガイナ


203号室に住んでいるゼロ吉の妹(?)

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