2_未知の病
文字数 1,168文字
川沿いの遊歩道で黄昏れるナナ。
頭上の鉄橋を都電が走り過ぎていく。
そろそろ日が落ちる。
門限を守らないと叔母さんが怖い。
渋々立ち上がり、帰路へつこうとするナナ。
ふと背後で水が跳ねる音がして反射的に振り向く。
全身緑の未確認生物が陸に上がるところだった。
間抜けなポーズで固まっている生物と目が合ってしまう。
みぃ~た~なぁ?
――コンコン。
はい……
あ、ガイナさん!
ちょ、ちょっと待って下さいね!
一旦扉を閉め、慌ただしく部屋の中を掃除する201号室の住人。
お待たせしました!
立ち話も何ですから、どうぞ中へ!
ペコリと深くお辞儀をし、巨乳がぷるんと揺れる。
思わずその谷間を見て鼻の下を伸ばす浪人生。
相棒の手際をこっそり見届け、関心する青年。
中二病の治し方?
ガイナさん、中二病なんですか?
な、なるほど。
あのお兄さんが……。
そうですね、僕の場合は人の振り見て我が振り直せって感じでしたね。
ああ、つまり同じ中二病患者を見せるのですよ。
そしてその人が恥ずかしく感じれば成功です。
せっかくだし……ちょっと練習してみますか?
あ、あの……
僕の名前は”統べる”と書いてスバルと読むので……
(外国人には発音が難しかったかな?)
諦めて参考用の蔵書を引っ張り出してくるスバル。
こんな風に腰をひねって……そう、そんな感じです!
客観的に説明するために写真撮りますね!
太腿を露出し、胸の谷間を強調するガイナー。
イイ……!
最高ですよ、ガイナさん!
次はこのポーズをお願いします!!
もはやただの撮影会と化していた。
え?
良く分からないけど、頑張って!
スバルの部屋を後にし、テレパシーで相棒と通信するガイナー。