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文字数 999文字
▼ 七森は門番の不正に気付いた。
なー、七森ー
はい？ どうしましたか？
この列、ちゃんと並ばなきゃダメか？
そもそも、これまでの村にはこんなのなかったじゃんか
まあ、これまでは小規模な村でしたからね
門番を必要とするような大きさでもない場所でしたし
門番を必要とするような大きさでもない場所でしたし
確かに小さかった……けど
あれ？ 基本的に寄らなかったような？
あれ？ 基本的に寄らなかったような？
さすがにそろそろ食料の確保がしたいですから
寄らないわけにもいかないのですよ
寄らないわけにもいかないのですよ
まあ、寄るのは良いけどさ
これちゃんと待たないとダメなのか？
これちゃんと待たないとダメなのか？
まあ、街に入るための正規の手段ですからね
不正をして入りたいのであれば、
別に並ぶ必要もないのですけれど
不正をして入りたいのであれば、
別に並ぶ必要もないのですけれど
不正をして、って例えば？
例えば……そうですね
何かしらの力で防衛壁を乗り越える
無理やり門を通り抜ける
偽装許可証を使用するとかでしょうか
何かしらの力で防衛壁を乗り越える
無理やり門を通り抜ける
偽装許可証を使用するとかでしょうか
ふぅん？
それすると、どうなるんだ？
まあ、バレたら掴まります
牢屋で拘束されるか
多額の違反金を払わされるか
着の身着のまま外に投げ出されるかですね
牢屋で拘束されるか
多額の違反金を払わされるか
着の身着のまま外に投げ出されるかですね
人間って面倒くさいんだな
全くですよ
七森も人間なのに、同意するのかよ
同意しますよ
そんな面倒くさいのが嫌で旅しているようなものですし
そんな面倒くさいのが嫌で旅しているようなものですし
そうだな、七森は変わってる人間ってのはもう知ってるし
改めて言葉にされると、ちょっとイラっとしますね
なんで!? 本当のことだろ!?
言わなくてもいいことが世の中にはあるのですよ
さて、お仕置きです
えっ
《影縫い》
あっ、ちょっ、くっそ！！ 羽根が動かねぇ！！
宙を浮かずに、一緒に自分の足で立って待ちましょうね
くっそおおお！！ 理不尽すぎんだろっ！
そこっ、静かに！
あ、すみません
ほら、ピレのせいで怒られたじゃないですか
俺のせいかよ!?
ほら、静かに
大人しくして居ましょうね
大人しくして居ましょうね
ぐぬぬううう……
って、あれ？
七森、七森
今度は何ですか、静かにしていないとまた
あれって不正ってやつじゃないのか？
……なんですって？
ほら、やっぱり！
他の馬車は止まって中見ているのに、あそこの門はスルーだ
他の馬車は止まって中見ているのに、あそこの門はスルーだ
ふむ？ どれも等しく検問すべきですよね……
ふふふっ、これはお金のにおいがします
硬貨は臭わないはずだぞ？
言葉の例えですよ
ピレは映像記録する魔法は覚えていますか？
ピレは映像記録する魔法は覚えていますか？
そんなのあるはずないだろ
そうですよね
では造りましょうか
え？
幸いにも言語を組み立てるのは得意なのですよ
新たな闇魔術を造ってしまいましょうね
新たな闇魔術を造ってしまいましょうね
えっ
それで、それを証拠に不正を正して賞金を頂きましょう！
……俺、時々七森が分からなくなるわ
▼ 七森の懐が温かくなった。
