ある日の日記

文字数 338文字

 ○月○日

 このお仕事をつづけて何度目かしら。
 村長さんに森の薬草をとってくるように頼まれて、もう随分経つなぁ。
 そろそろ薬草を見つけるのも、大変になってきちゃった。森の中を一日中歩き回っても、一つ、二つくらいだもの。

 でも、このお仕事をするとみんなすごく喜んでくれるの。ありがとうって、これはあなたにしかできないことだからって。
 みんなが喜んでくれるとわたしもとっても嬉しい。だけど、変なの。

 村のみんなは、ぜったいにあの森に入ろうとしないの。みんなこわがって、入ろうとしないの。
 気になったからとなりのおばさんに聞いてみたの。あの森には、おそろしいかいぶつがいるんだって。だから、みんな入りたくないんだって。

 そんなのうそっぱちだわ。

 だって、怪物なんているわけないもの。
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