第7話

文字数 2,242文字

言葉で考えるのかイメージで考えるのか

「あなたはイメージで考えますか、言葉で考えますか?」主には3つの答え。「イメージ」これをインスタグラム型思考、「両方」これをマンガ型思考、「言葉」これを本型思考と呼ぶ。この質問の回答は、千差万別で人間が理解しあえない理由の一因がわかった。まどかさん「過去のことは映像で言葉が解釈としてはさまれる。未来のことも過去の映像で組み立てられる」これはユーチューブ型思考。渋田薫さん「言葉を音にして音を絵にします」共感覚型思考。マッスルさん「音楽を作る時は風景が流れています」佐々木さん「あごに手を当てたら西日暮里の風景が浮かんできました」
大東さん「建築は言葉。予算、法律、家族構成など制約がある。イメージを言葉にしたくなります」発明家の広瀬さん「立体的にどうなっているか言葉で考えます」曽布川さん「言葉とイメージは切り離せない」イラストレーターの友野さん「両方。描いてみてイメージを見て考えます」本屋の高林さん「本は装丁でイメージを見ます。司会の前はシミュレーションでイメージトレーニング。人と共有したり、日記で記録したり積み重ねるのは言葉」鈴木基生さん「どう考えているのかわからない。夜寝る前に問題を考えると朝起きた時に答えが出ている」 台湾のスーパー大臣オードリー・タンさんと同じことを言っていたので驚いた。一生懸命、インプットして考えた後にぼーっとするとひらめく。無意識のうちに脈絡のないものが結びつくのだ。睡眠、散歩、入浴などでひらめくのはデフォルト(初期化の状態)・モードネットワークで無意識のうちに脳が問題解決するからだろう。つまり、「ぼーっと生きてていいんだよ」
 鴨江アートセンターで、「情・識展」感情は自分が感じることで終わる。簡単に表現できない。自分でも気づかない。感情を意識し、認識するのだ。
韓国人の許允碩(ホ ユンソク)さん、中国人の阮偉銘(ゲン イメイ)さんが展示。二人とも、静岡文化芸術大学の二年生だ。
許さんは兵役や韓国での勉強などで周りの人たちよりも年上だ。言葉が豊かだ。
「イメージと言葉、両方とも使います。また、作品によって割合が違います」
「この作品は7割言葉で考えました」『歪曲と偏屈』というメビウスの輪のような造形物だ。
「言葉の思考とイメージの思考をうまく使えたら、可能性が広がりますね」阮さんはこの作品を「ゴールドでつくればいい」 許さんびっくり! 誰かパトロンになってください。
 阮偉銘さんも、周りの学生よりも年上だ。
 阮さんは直感的で本能的に描いている印象を持った。「言葉かイメージか、順番はどうでもいい。まずメッセージがあってそれが言葉になったり、イメージになったりする」「体験からメッセージが生まれます」
「他の作品はイメージから描いたけれど、この作品は言葉が先でできました」
 二人の同級生の高倉さんとハルキさんは二人ともデザインを言葉で考えるとのこと。
 私は言葉が多い。去年は1000冊くらい本を読んだ。ただ将棋は四角い盤面で視覚で考える。イメージを強めると疲れるので、白黒で点が動く感じだ。将棋思考法に言葉でまとめた。対局中は、言葉ではなく「合格」「違和感」がやってくる。後で言語化できるがその時は直観的に考えている。
 元小学生名人の斎田さんと対局した時、こちらの使用時間が30分で斎田さんは2分だった。元小学生名人の山岸さんに勝ちそうなところからひっくり返された。真面目に感想戦をやっていただいたら、超高速思考に驚かされた。藤井2冠の「五分で分かるのに四十五分も授業をやる意味が分からない」「授業中に覚えればいいのに宿題がある意味が分からない」世界チャンピオンになった彼と同学年の高橋晴仁さん「僕もそう思います」
 プロ棋士の中には、目隠し将棋で頭に三面盤面をつくれる人がいる。藤井2冠は「棋譜の符号が動いていく」何を言っているのか全く分からない。
 クリエイティブサポートレッツの佐藤さん「自分がどう考えているのか分かりません」よく考えると私も分からないことが分かった。
 「イメージで考えるか、言葉で考えるか」聞いてみると人間の多様さが分かる。
 人間には、聴覚優位、視覚優位がある。文字が頭に入らず音声で理解し覚える人がいる一方、先生の言うことが頭に入らず不登校になり、家で自習し学年1番になる子もいる。高校チャンピオンになった大村和隆君は英単語を写真を撮るように覚えるとのことだ。
 聴覚優位、視覚優位、言語化能力、自分はどのタイプか、また、聞き手はどのタイプか? これを把握していると自分の学習がはかどり、相手の頭に入る説明ができる。
 大まかに言って、左脳は、言語、記号を順番に考える。右脳は、直観的にイメージで全体的にビッグピクチャーを描く(視覚野は左右両方の後頭部)。将棋は、シラミつぶしに順番に考えるし、大局観や形の良さにもこだわる。将棋は直接役立つことはないが、考え方は世の中に貢献するに違いない。
 小さな袋にはたくさんのものは詰め込めない。頭に入れるには、楽しく繰り返すとか、工夫するとか、袋を大きくする、つまり、地頭をよくするとかが求められる。
 自分に合った学び方、環境整備と努力ができれば、驚異的能力を身につけられるに違いない。努力のためには熱中すること。魅力や面白さに気づき面白がって生きれば、楽しく頑張れる。将棋などで得たことを世の中に役立てたい。みんなで賢くなれる世の中をつくりませんか?
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