第6話

文字数 1,787文字

将棋思考法から思考法を抽出し役立てる

 将棋思考法はあっと言う間に陳腐化していく。2008年にBonanzaというソフトは50000000のパーラメータで判断していた。人間にはできないやり方だ。人間は本質を見抜き効率的に考え、訓練しなければならない。
しかし、そこで残るべき大切なこともある。大切なことを実社会で役立てたい。
 目標は高く完璧なものをつくりたい。神のような人工知能のように。また、人間はここまでできるということも知っておきたい。将棋をやっていると驚くべき人たちに出会う。プロ棋士やアマチュアチャンピオンにはありえない人たちがいる。驚異的記憶力。テーマ設定のうまさ、答えを素早く見つける能力。藤井2冠が中学生の時に「五分で分かるのに四十五分も授業をやる意味がわからない」「授業中に覚えればいいのに宿題がある意味がわからない」これに、世界チャンピオンになった高橋君は「ぼくもそう思います」 これは彼らの能力でもあるが、標準的に「書いて覚える」こと以外はダメとされる世の中への怒りでもある。
 中学生の時に詰将棋作家としての作品で谷川賞を取った長谷川大地君は私のブログを読んでいてくれた。中学生の時に素数について話していた。高校では陸上部にも入っていて、百メートル走を10·95秒で走り静岡県西部で2位になり、将棋は全国で2位。彼は将棋一本にしぼれば日本一になれたのだろうか? しかし、彼は相乗効果で発想豊かになり、日本一よりもタカミに到達できただろう。彼は2017年の詰将棋解答選手権で7位とプロ棋士に混じって上位に食い込んだ。第1ラウンドの成績が1位であの有名な連覇をしている超有名人を上回った。ツイッターで「詰め将棋では○○君は天才ではない」と。
 静岡県大会で山岸さんと対局した時に浜松支部道場での前日の研究通りになって私が有利になったがそこから逆転された。山岸さんは感想戦を真面目にやってくれた。すると、結論を出すのが正確で、ありえないくらいに速かった。こんな人は見たことがない。山岸さんはその後、朝日アマ名人となった。
 浜松から村松君が小学生名人になった。彼にも将棋思考法を渡している。しかし、そんなことよりも今、浜松や静岡県はかつてないほど全国チャンピオンレベルが集まっている。折田翔吾さんがプロの編入試験のためにクラウドファンディングをして五百万円以上集めた。そして、大阪から浜松の道場に2回訪れた。高橋英晃アマ名人と対局するためだ。結果は一勝一敗だった。折田さんは編入試験を勝ち抜きプロ棋士になれた。村松君は肌でハイレベルの戦いを感じたのだ。いろいろなタイプの強い人と接する生の体験の大切さは、言葉では説明できないのだ。
 高見七段の少年時代、家を訪れたら、父親がNHKの自然番組を見ながら「この鳥は○○」「この植物は○○」と解説を披露した。こんな知的好奇心あふれる環境にいたら年間4人しかなれない難関のプロ棋士も夢ではないと思えた。全国キー局のアナウンサーの親や教科書に載っている人の親を知っているが、彼らも知的好奇心あふれる人たちだった。
 いい土壌から優秀な人材が生まれていくのだ。いい環境をつくり、知の本質がつかめれば、次に続く人たちが出て来るに違いない。
 これらの体験が生涯学習に役立てられたらうれしい。
 当時京都大学の院生だった高校の同級生の山田君に「頭がいいってどういうこと?」と聞いたら
「受験での頭の良さはメモリーがあって適切なものを引き出せることだ」と言った。良質な知識体験で常識を身につけ、多くの情報の中から条件に合うものを選び組み立てることが才能なのだ。あふれる情報の中から大切なものを選び本質的なものを身につけ頭脳を築き問題を解決する。
 『#年句めぐり』https://novel.daysneo.com/sp/works/42e13f9646702bbe052f046c51fce5c7.html
は1000冊位は参考にしている。大量の情報から選び組み立てている。
情報はあふれるほどある。どんどん覚えてもまだまだ足りない。良質なものを選び覚え適切に引き出せることが大切だ。言葉は巨大な氷山の一角にタグ付けするようなもので、多くのものを逃してしまう。しかし、本質的なものだけは残る。だから、大切なもの、面白いもので満たさなければならない。
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