第2話・同窓会

文字数 290文字

 小学校の同窓会に行ったら、見知らぬ顔ばかりでとまどった。
 厳密に言えば、完全に見知らぬ訳ではない。皆、あの頃とどこか違うだけ。皆、昔の面影はどこかある。

「ねぇ……恵子? 恵子ってそんな顔だったっけ?」
『あぁ。私、鼻をちょっといじったの』

「吉岡、メイク濃いよ……」
『いやぁ、高校の頃からV系の追っかけにハマりまして』

「中村、痩せたね……」
『つい最近、会社が倒産してね……心労のせいさ』

「逆に、松たんは太ったね」
『勤め先のレストランで、しょっちゅう新作の試食しててね、ハハハ』




ふと、周りの同級生達がざわつき始めた。
『そういうお前って、女だったっけ?』



「何の事だか、さっぱりわからん」
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