第16話:佐野夫妻のハワイ旅行

文字数 3,508文字

 2004年4月、佐野は奥さんと2人でハワイ旅行を計画して一番良いシーズンと言われる4月7日から7泊8日のハワイ4島クルーズを含め11日間の旅行を計画した。4月7日、16時に家を出て車で成田空港へ18時過ぎに到着した。ゆっくりと夕食をとり登場口に移動し、夜21時半発の飛行機に乗り、翌4月8日10時過ぎにホノルル空港へ到着した。タクシーでワイキキのホテルに入り、時差呆けがあるのでホテルの部屋で一休みした。

 午後、目の前の海岸を40分くらい歩いて、汗をかいてシャワーを浴び、お腹が空いたら軽食をとりながら過ごした。やがて夜になり、21時頃からワインを飲んで22時過ぎには、とにかく床について、部屋を真っ暗にして寝た。翌朝、8時に起きると時差呆けがかなり解消され、又、ビーチを2人で30分ほど散歩して4月8日、朝食をとり10時過ぎにクルーズのツアーバスが来て、荷物を持って乗り込んだ、

 20分でホノルル港に到着しツアーの人に促され列に並び必要書類を書いてクレジットカードを登録した。12時には入船しデッキのカジュアル・レストランで昼食を取りデッキを散歩したりショーの会場、スペシャル・レストランを見た。ノルウェイジャン・クルーズはフリースタイル・クルーズと言って正装のフォーマルデーはなくフォーマルでもカジュアルでも好きな身なりで自由に行動できると書いてあった通り、アメリカ人はスポーツウェアというラフなスタイルの人が多い。

 午後15時過ぎに、日本人通訳の黒人さんが来て、何か解らないことがあったら気軽に質問してねと言い日本語で書かれた、今日のスケージュール表を持って来た。少し雑談して彼は部屋から出て行った。スケジュール表に目を通すと16時から避難訓練があり全員、出席する義務があると書いてあった。やがて16時10分前になりデッキの指定された場所に佐野夫妻が行くとクルーズのクルーが既に来て、笑顔で迎えてくれた。

 16時になると簡単な英語で救難ボートの使い方を説明され言われた通りに行動し訓練を終わると、クルー達がグッド、エクセレントと誉めてくれた。部屋に戻り少し休んで、また広いデッキに出て散歩をしたが潮風が心地よく気持ちよかった。やがて18時、夕暮れ時が近づきカジュアル・レストランに行くと寿司バーを見つけて、並んで食べると、レストラン係の若い女性が海苔巻きの端の方を渡したので、佐野が、ノーと強く言うと、彼女はソーリーといって、真ん中の海苔巻きをくれた。
 
 しかし、次に待っていた文代さんが、その端切れを、お皿に渡された。そして自分達の席に戻ると文代さんが佐野に意外としっかりしてるのねと話した。米国に来たら米国流にイエス、ノーをはっきり言わないと、あなたみたいに海苔巻きの端切れを渡されると言うと、笑いながら交換してねと、ちゃっかりと、佐野の海苔巻きと取り替えた。そして19時半頃にショーが始まると書いてあったのでショーの会場に行くと既に行列で上手に少ない列に紛れ込み、かなり前の席に座ることができた

 ショーが始まると最初がコントとジョーク、日本の漫才みたいなもので佐野は、たまに笑ったが文代は、皆が笑った後、何て言ったのと佐野に解説してもらい、あまり楽しそうではなかった。その後、アメリカの懐かしのヒット曲を声量豊かな男性と女性のシンガーが上手に歌い、多くの拍手をもらった。声量が日本人と違い、すごいねと文代さんが感想を述べた。その後マジックショーとなり、最後にミュージカル風の劇が約1時間、行われたが演技が上手で引き込まれた。

 やがて3時間経ち、全スケジュールが終わると出演者達が一斉登場した。その時、出演者の3分の一が、この船のクルーだと紹介され、その芸達者ふりに驚かされた。そしてショーからかえる時に、カメラ屋さんのような所に乗客の多くの写真が貼られていて、欲しい人は1ドルで売ってくれると書いてあったと佐野が説明した。

 佐野夫妻が写った写真を文代さんが見つけると、買いましょうと言い、店の中に入ると、カード・プリーズというので乗船カードを見せた。すると乗船カードを何かの機械を通すとサンキューと言って写真を渡してくれた。理由を文代さんが聞くと乗船カードにクレジットカードを登録して船内で買い物全部、カード払いとなるようになっていると佐野が説明した。

 翌日、4月9日、朝7時、もう既に船のデッキを2周りの散歩をしモーニング珈琲を飲んでゆっくりしていると、遠くに陸地が見え、どんどん近づいてきた。やがて朝8時、マウイ島、カフルイ港に到着。港に着くと、ハレアカラの大きな山が一望できた。今日は、午後2時過ぎから3055mのハレアカラ火山のサンセット・ツアーを申し込んでいたので、昼まで卓球したり、スポーツや図書室の様な部屋でカードゲームをして時間を潰した、

 昼過ぎ、ツアーの用意として標高が高いので上着とウインドブレーカーを用意した。やがて14時にツアーバスが来て乗り込み、ハレアカラに向かい、15時過ぎにドーナッツ屋さんで一休みし、途中でトイレ休憩。17時に到着し、ハレアカラ国立公園で夕日鑑賞、山頂から移動し、夕食のお弁当を食べた。その後、山頂からの天体観測が始まり星空が直ぐ頭の上にみられ何の解説も入らない、ただ見ているだけで感動した。

 しかし0℃近くの気温のため持参した上着とウインドブレーカーを着込んでも時間が経つにつれ寒くなった。ポットのお茶がおいしくて身体が温まり助かった。そして時間となり、車で船へ買える車中では寝ている人が多、佐野も睡魔に負けて寝てた。22時頃、船に到着してシャワーを浴びて床についた。翌4月10日、起きると足が痛く、少し筋肉痛を感じた。この日はツアーに参加せず、お昼前、歩いて、マウイモールと言う、大きな商店街に向かった。

 昼食はハンバーガーを食べたが地元の人が多く大勢のお客さんで、にぎわっていた。ローカルショップで珍しい彫り物をお土産に数点購入した。夕方になりステーキの良い匂いの誘惑に負け、ステーキもがっちり食べた。船に戻りハワイ島のヒロに向けて18時、クルーズ船がカフルイ港を出発した。19時から船の劇場での歌謡ショー見に行き22時には床についた。翌4月11日、朝、デッキを散歩しているとハワイ島にクルーズ船が近づいてるのが見えた。

 すると林に囲まれた公園が見え長い奇妙な防波堤のような物が見えた。佐野が船のクルーに聞くとリリウオカラニ公園、ジャパニーズガーデンと言ったので何か日本とゆかりのある公園のようだった、よく見ると鳥居や太鼓橋も見えた。そして8時にヒロに到着。そして今日は、市内観光とレインボー滝の見学ツアーを予約し、10時にマカデミアナッツ工場について、工場見学とマカデミアナッツチョコレートの試食で食べ放題、珈琲付きをいただいた。

 食べ放題でもマカデミアナッツチョコレートばかり食べられずコナコーヒーをおかわりした。ツアーの女性達はチョコレートを食べた後にアイスクリームも食べた、一応、義理を感じてマカデミアナッツチョコ1箱を買った。その後、レインボーフォール近くの駐車場から歩いて良く虹が見えるという滝へ歩いて行きった。晴れていたので虹が見えた。

 1人のガイドさんが元気な人は私についてきてと言われ、佐野夫妻がついて行った。すると滝の上部へ連れて行かれ上から滝を眺めた。更にその奥へ進むと巨大なバニヤンツリー「ガジュマル」がたくさん生えていた。その時ガイドさんがと英語で昔、レインボー滝の背後に大きな窟があり半身マウイの母である女神ヒナが住んでいた。

 ワイルク川に住む巨大トカゲが大きな岩を滝に落としたためヒナが住んでいた洞窟が水没してしまう恐れがありました。ヒナは息子のマウイに助けを求めマウイが岩を破壊し、母ヒナを助けたと言われています。この滝に伝わる伝説を話してくれた。ここは聖なる地だと言うと全員で記念写真を取った。直ぐに駐車場に戻りツアーが解散。その後、歩いて日系人の多いと言われるヒロの商店街を散策。

 一緒に行った日本人観光客の1人がハワイ島に入植した日系人がこの大きなハワイ島を開拓、開墾してサトウキビ、パイナップル畑を作った。そのお礼にハワイ王国最後の女王、リリウオカラニが日系人の働きに敬意を表してリリウオカラニ公園を作ったと話した。その後、公園内には常陸宮正仁親王によって贈られた松の木、裏千家の第15代千宗室家元より寄贈された「松浪庵」という茶室がある。
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