文字数 233文字

その昔、翁は仕事一つせず、本を読むばかりの日々を送っていた。

あまりに本を読むので、皆から『本読みの翁』と呼ばれていた。

翁とその妻は、翁の父の遺した財を食いつぶして暮らしていた。






そんなある時、翁の家に新しい家族が増えた。

かぐ夜だった。

翁の家は、翁とその妻の食い扶持を繋ぐので手一杯だったので、かぐ夜が増えたことで傍目にも貧しくなった。

十年と経たないうちに、その日の食料にも困る有様となった。

かぐ夜が、私の所に奉公に訪れるようになったのはそんな時分のことだった。

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登場人物紹介

かぐ夜 十一歳

若様 十一歳

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