導入
文字数 305文字
その日、十三になったかぐ夜は、小袿を着、髪をすべらかし、皆の前に姿を現した。
その時分には既に、かぐ夜は美しいと評判が高く、噂は近隣諸国まで聞こえていた。
その時分には既に、かぐ夜は美しいと評判が高く、噂は近隣諸国まで聞こえていた。
かぐ夜のことを一目見ようと、近傍の者達は元より、遠方の者達も、こぞって押し寄せた。
それは、この世のものとは思えぬ程の美しさだったという。
かぐ夜が成人した。
噂はすぐに広まった。
かぐ夜を一目見ようと男共が押し寄せた。
男共の目的は同じだった。
かぐ夜を嫁に迎えたいという求婚者達だった。
翁は男共を丁重に迎え、丁重に送り返した。
送り返された者は、諦めずに何度もかぐ夜の元を訪れるので、かぐ夜の家を訪れる者は日増しに増していったという。