【ユーザー参加企画★リレー小説】イブに初デートしたらヤバい世界に飛ばされた件
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riutot
ギンがどこにいるのかわからない。
いままでこんなこと、一度もなかった。
ギンってどこかぽんやりしてて、注意力ないし、頼りないし。
でも、いつでもわたしのそばにいたのに。
三秒以上離れたことってなかったのに。
そしてわたしは、自分がどこにいるのかわかっていない。
昏い。気温低い。雪の上。気圧が低い。
それは自分の体積の変化でわかる。わかるの。
だけど。ここはどこなの?
四つ足のけものが近づいてきた。
生暖かい息。ふっふとわたしの匂いをかいで。
あっ!!
ちょっ! 何するの!
噛んだわね! この変態野郎!
急いで外円を縮めてエネルギーを溜め込んで。
F———E———N!(変身)
いいい痛い痛い痛いっってば! 爪たてないで!
いつまでわたしにしがみついてる気? バカなんじゃないの?
わたし、大型の北極オオカミに変身したのよ?
怖がりなさいよ、ホントにもうっ!
「すみません、そのフェレット僕のなんですけど」
男の子の声が聞こえた。
わたしから少し離れたところにその子は立っていた。
高校生くらいかしら?
オオカミに話しかけるって、どうかと思いますけど。
でも。そのときわたしは自分が直立していることに気付いた。
あらら? オオカミは二本足で立たないはず。でしょ?
わたし……えっ? えっ、えっ、えええーーーっ!
きゃーっ!
わわ、何? 何故? なんで? ヒト型になってる!
しかもビキニ! この気温で夏仕様?
白いふわふわのファーに縁取られた真っ赤なビキニって。
ありえなーい!
そしてビキニの真上!
女の子的に、そこ絶対触られたくない谷間領域にくっついているのは。
白っぽくてほっそりして真正のもふもふなけもの。
だけどね! 生肌に生爪でしがみつくのは頼むからやめて!
「こ、これってフェレット……?」
「それってサンタクロースの衣装?」
わたしとその子は同時に尋ね合った。
白いフェレットが顔を上げてわたしを見る。
目が丸くてつぶらで。可愛い。
可愛いのはいいとして、いつまで胸に乗ってるの。
どうかと思いますよ。もふの分際で。
「早く捕まえて。あなたこの子の飼い主なんでしょ?」
男の子は軽く首を傾げ、うん、と言った。
近づいてきて、フェレットの頭を雑な感じで掴む。
白い身体がにゅうーんという感じで伸びてフェレットはわたしから離れた。
CHIHIRO_F
【フェン02】米洗ミノル
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