第3話

文字数 290文字

翌日。
聡は「歪曲しても仕方ない」と、早紀に祐輔から得た情報をそのまま真っ直ぐ伝えた。

「え?ミステリアスな子って……不思議ちゃんってこと?」
「……違う」

自分と全く同じ回路で答える早紀に、聡はほんのり嫌気が差しつつも、親切に正解を教えてあげると、早紀は「なるほどぉ~……」と名探偵のようにしばらく考え込んだ。

そして「よし!わかった!」と急に声を上げると、「一応助かったわ、ありがとう!」と言い残し、ブンブン手を振りながら猛烈にその場から立ち去って行った。

「一応って……」

残された聡は、誰もいなくなった場所で今度は盛大に大きな溜め息を吐きながら、家までの帰路を一人ゆっくりと歩を進めた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み