第3話 これって、繋がりとかいうんだよな。

文字数 1,140文字

 2023年12月1日(金)
『白杖デビュー、69歳。』が[ノンフィクション]ジャンルで「本日」1位になっていた~。
 3年前に書いた作品なので、驚いているんだ。

 いつも、いつもランキングを見ているわけではなくて、
 今朝、【NOVEL DAYS】から<作者「@arata373」が、お気に入りに登録されました。>
 とメールが届いて、<対象の作者ページのURL>をクリックして気が付いたんだ。
『白杖フルスイング』のランキングも急上昇しているので、読んでくれている人たちの心当たりがあるんだ。

 11月の末に、地元の『視覚障がい者センター』と協会による
「三者交流会」へ参加したんだ。
 センターの職員・ボランティア・障がい者が集まって、まさに交流するんだよ。

当日は、晴天に恵まれ風もなく、新設の競技場の見学というか、
もっぱら手で触るので、感学をしてから、部屋に集まって話合うんだ。
総勢、50人ぐらいが、5班に分かれたんだけど、たまたま、ぼくの隣席の女性が、
デイジー図書の音読ボランティアの方だったので、少しお喋りをしたんだ。
 
「深夜、独りで本を音読していると、誰か聴いてくれる人がいるのかなぁと、孤独に襲われることがあります」
 ああ、想いは同じだな。
 ぼくは小説を書いていて、誰が読んでくれるのかと思うんだよな。

 その時は、大阪文学学校へ通っていたことはしゃべったんだけど、どんな小説を書いているかは黙っていたんだ。

 その女性の方が『●●●』を担当していると耳にしたので、帰宅してからサピエ図書館で探して聴いたんだけど、お喋べりしていた声と結びつかなかったんだ。
 やはり、専門家は違いうよな。

 数日後に、センターへお礼のメールをしたんだ。
 音読ボランティアの女性に『●●●』を聴きましたよ。
 と伝えたくてさ。
 
 そこに、ネットの<NOVEL DAYS>に小説を公開していることを書いたんだ。
『白杖フルスイング』
『白杖デビュー、69歳。』

 だから、センターの方や、音読ボランティアの方が読んでくれていると思うんだ。

 10年間、文学学校で多くの人と出逢ってはいるけど、文学という蜘蛛の糸よりも細い繋がりで、いつプチンと切れてもおかしくない。
 久し振りにメールを送ると、返信がなかったり、すぐにあるとしても<そのURLは存在しません>だったりする。
「病弱の方だったからな……」
 独りで納得するしかないんだ。
 
 だから、新しく繋がりができたみたいで嬉しいんだ。

 そうそう、その交流会で先輩の障がい者の方たちが、
 音声ディジーを、3倍速で聴いているといっていたので驚いたよ。
 ぼくも、トライしたけど、まったく意味がわからない。

 いまは、1.5倍即から練習しているんだ。
 まだまだ、初心者なんだよな。 
 

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