第2話 777ってラッキーナンバーだよな。じゃあ、これは奇跡かも。

文字数 1,230文字

 2022年06月26日に投稿してから、すっと放りぱなしにしていたんだけど、あることがかさなって書くことにしたんだ。

 まず、どうして書かなかったというか、書けなかったことを少し説明させて欲しい。

 恋愛結婚をして、長いあいだ一緒に暮らしているとお互いに「素」の部分を見せ合うし、特に子どもたちが独立して家を離れて二人暮らしに戻ると、初期の愛情が大きく変化をしていたなんてことは、よくあると思うんだ。

 たわいもないちょっとしたことで、大きなケンカになったりするんだけれど、時間が経つといつの間にか何事もなかったように元に戻っていることが日常なんだよね。

 でも、ぼくの目が不自由になってしまったものだから、今までと同じようなことになっても、ぼくに同情が集まって、妻が非難されかねない状況になっている。
 このことに気付いて書かなくなったってわけなんだ。
  大切な人を傷つけたくはないもんね。

 最近、これを読んで「シニア夫婦の微妙な関係」と素直に受け容れてもらえたし、ぼくを応援してくれている人が、今日 NOVEL DAYS に復活したので、これをきっかけにすることにしたんだ。

 まず、この画像を見て欲しい。





 PV数が「777」なんだ。

 ぼくは2か月に1回、自宅からは、自動車で1時間半ぐらいかかる県内の医大付属病院に通っている。
 ここの眼科で、白内障と緑内障の手術をした。

 この前、1階の再診受付で、予約票を見せて受付番号票をもらったんだ。
 番号は大きな文字で印字されているけど、ぼくには見えにくい。
 前は名前で呼んでくれていたけど、今はこの受付票の番号がぼくになる。
番号が呼ばれて、検査室に行ったり、診察室に入ったりするので、
「何番になりますか?」
 と数字を教えてもらう。
「七百七十七です」
「ありがとうございます」
 少し離れてから頭の中に『777』と数字が浮かんだ。
 ラッキーセブンだ!
 と気付いて嬉しくなった。





 でも、受付の女性の声は『777』に全く関心がなかったよな。
 そんなことを考えながら、エレベータに乗る。
 受付票は診療科ごとに発行されるのなら、毎日十数枚も『777』を目にすることになる。いちいち感心を持てないことは当然だよな。

 3階の医局受付の女性看護師もスルーした。

 ただ、検査技師の男性は、「おっ、777」ですねと反応してくれた。

 そして、薬局の受付票番号が
 なんと「77」





 合せると「77777」だ!

 帰路の車内で妻に
「これって、奇跡だよね」というと、
「あら、そうね」

 本来『あら』は、何かに驚いたり感動したりしたときに発する言葉のはずなのに、妻が口にすると「そんな話、聞きたくない」って感じの否定形に思えてしまう。
 これ以上話す気もしなくなった。

 でも、『77777』って奇跡だよな。
 フロントガダスに射してくる光に呟いた。

 いつも帰りの車内は、自分の患部が数値化されて現実を突きつけられるので落ち込むんだけど、その日はルンルン気分だった。

了。
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