Vシネ『デッド オア アライブ』

文字数 1,285文字

毎度毎度イタめの内容でお送りしておりますこのエッセイ。
ども!池乃です。

12年ほど前の話になりますが、ミナミの帝王の映画と漫画にドはまりしました。
それが高じてVシネマのエキストラのバイトに参加し、ミナミの帝王の主人公、萬田銀次郎役の竹内力兄ぃの実物を見て、
「もっと力兄ぃのことを深く知りてぇーー!」
ということで、力兄ぃ主演の奇跡の1作、『デッド オア アライブ~犯罪者~』を観ました。
なんとこれ、竹内力と哀川翔のVシネ2大巨頭が共演しているという、ファン垂涎の1作なのであります。

これがなんともまぁいろんな意味ですごい作品でして、ここで紹介させていただきます。

↓以下ネタバレがあるのでこれから観る方は読まないで下さい。




要はVシネにありがちな暴力団抗争の話なんですが、ヤクザの親玉の竹内力を追う哀川翔。
その過程で舎弟が殺され、家族が殺され、復讐を誓う両者は最終決戦へ!

竹内と舎弟2人の乗る車と、哀川の車のチキンレース。
間一髪衝突は避けたものの、竹内の車は横転!
間髪いれず車で突っ込む哀川ですが、竹内舎弟の特攻自爆により哀川は車ごと大破!
爆発した車から転がり出た傷だらけの哀川。
無論翔兄ぃはこれくらいでは死にません。

傷を負い、もはや動かぬ腕を自ら引きちぎる哀川。
2人とも相手に何発もの銃弾を撃ち込みます。
体中被弾し崩れ落ちる両者、しかし二人は倒れる寸前で踏ん張ります。

で、この先だれもが予測し得なかった驚愕の展開に…!

哀川、何の脈絡もなく、いきなり背中から巨大なバズーカ砲を取り出します。

「…??何これ?どこにそんなん持ってたの?」
翔兄ぃはあの甲高い声でウラァァとか言っちゃってるし??

すると竹内、ドスの利いた声とともに胸の辺りからなにかを取り出します。
「力兄ぃの胸に赤い光球…!?まさか、元気玉!??」

何が起こっているのか、全く理解できません。
哀川と竹内は、それが当たり前のように最後の切り札を構えますが、ここまでのストーリーでそんな不思議ワールドの伏線は一切ありません。

「ドゥエイ!」
「ウラァ!!」
両者が同時に発射すると、二人の中央で炸裂した切り札は大爆発!
セカンドインパクト並みの衝撃に包まれた日本は壊滅!

おしまい。

ズコーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!

こけた…。
ずっこけてしまった…。
まさに誰もが予測しえぬ驚愕のラスト!
ラスト10分以外はもはやどうでもよいというか、見終わった瞬間に内容全て記憶のかなたに消し飛ぶというか…。
こんなオチ、天才か奇人しか思いつきません。
ただただすごいとしか言いようのない映画です。

この三池崇史監督ってこんなトンデモ映画ばっかり撮ってて、確かにゼブラーマンでもヒーローコスプレ教師が本物のヒーローになってしまういきさつの説明が全くなく、気が付いたら空を飛べるようになってたりしましたし、確信犯でトンデモ映画を撮っているようですね。

今でこそ三池崇史は売れっ子映画監督ですが、よくこのノリが世間に理解してもらえたな~と思います。
『デッド オア アライブ』は続編もあり、それもとんでもないオチになってますので、興味ある方はぜひ!
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